首里城で火災、「正殿」全焼のニュースは、地元の地域住民に強い衝撃を与えた。那覇市平良町に住む写真家の大塚勝久さんは、「自宅マンションから首里城は間近。燃え上がる炎で、上空は真っ赤だった」と、生々しい光景を興奮ぎみに話した。
当時徹夜で原稿書きを終えた大塚さんは、深夜4時ごろテレビの速報ニュースで火災を知り、三脚据えて夢中でシャッターを切ったという。「思えば30年前、離島取材の拠点として、琉球王朝の象徴である首里城近くに好んで居を移しましたが、ほまれ高い文化までが崩壊していくようで、涙が止まりませんでした」と心境を吐露した。