石垣市でも観光客の質的な変化が始まりつつあるようだ。外国人観光客というと、かつては台湾人が定番だったが、最近は欧米人の姿も目立つ。まちなかで一人または二人、もしくは少人数のグループが、大きなリュックや荷物を抱えて歩き、見るからに長期滞在者であることをうかがわせる。欧米とは全く異なる沖縄や八重山の自然、文化を心ゆくまで満喫したいという人たちだろう。
欧米からの誘客を今後も積極的に進め、沖縄・八重山観光をアジアから全世界規模へと拡大させたい。
沖縄・八重山観光が質的な転換点を迎えようとしているのに、大型クルーズ船を受け入れる石垣の港湾整備はまだ完了していない。20万トン級に対応する岸壁の整備が完成するのは2021年春の予定で、大型クルーズ船が2隻同時に接岸できる整備はさらに先の話になる。このままでは時代の流れに追い越されてしまわないか。
新石垣空港も県が需要の拡大を予想できず、旅客ターミナルは完成時から既に手狭だと指摘された。地元はターミナルの拡張や滑走路の延長を要望しているが、これもインフラ整備が時代のテンポに追いつけなかった例だろう。
10月に沖縄を訪れた観光客数は過去最高を記録したが、韓国客は前年同月比8割減で過去最大の落ち込みだった。外国人客が減少しても、国内客は堅調に推移している。沖縄観光を下支えしているのは国内客だ。日本人の沖縄ファンを大事にすることが沖縄観光の原点であることも忘れてはならない。