県は11月27日午後、奄美・沖縄世界自然遺産推薦地区内にある西表島の仲間川で事業を営む業者間で結ばれた協定を認定した。認定を受けたのは、エンジン付の船舶やカヌーなどで自然観察ツアーを提供する事業者らが結んだ「仲間川地区保全利用協定」で、協定有効期間は今年4月から2024年3月末まで。協定は、2004年6月に県知事認定第1号として初認定を受けており、認定が更新された。
協定では、仲間川に自生するマングローブ林の保護を目的に遊覧船の速度規制を定めた。意図的に航行速度を遅くすることで「ひき波」の発生を抑えた。エンジン付の船舶の隻数制限や、野生動物の採集禁止なども盛り込んだ。
締結事業者は東部交通やマリンレジャー金盛など計10事業者。観光スポットである「スオウの木」までの遊覧について、料金を増額する。環境に配慮しつつ利益向上も目指す。
県環境部の棚原憲実部長は「世界自然遺産登録に向けて、自然環境の適正利用は重要だ」と指摘。東部交通の玉盛雅治社長は「目標はこれ以上、自然を破壊しない、負荷を与えないこと。次世代への継承も課題」と県に協力を求めた。
マリンレジャー金盛の金盛良克代表は「ゆっくり観光してほしい」と話し、遊覧船の速度を制限するメリットを強調した。
その他の締結事業者は次の通り。▽南風見ぱぴょん、ちゅらねしあ、シーカヤックツアー海月(くらげ)、西表島ツアーガイドカラカラ、コーラル・ファンデーション、晴々(はるばる)、西表島SUPツアーNGAF、シーコンパス