県議会(新里米吉議長)は4日、11月定例会の本会議を行い、各派を代表して仲田弘毅氏(自民)、山川典二氏(同)、崎山嗣幸氏(社民・社大・結)、宮城一郎氏(同)、亀濱玲子氏(同)が質問した。玉城デニー知事は就任以来、石垣市を含む9つの離島にある市町村を訪問したと強調。離島の難病患者の支援については「離島市町村や住民の要望を踏まえ、拡充を検討する」と述べた。亀濱氏への答弁。
仲田氏は、焼失した首里城の再建計画について「県独自での復興再建や、所有権の移転は断念したか」とただした。島袋芳敬政策調整監は「城郭内の正殿は国が復元を行う。所有権移転の協議は考えていない」と説明。国営公園として整備された点も踏まえ、国主導で復元されるとした。
仲田氏は、県が首里城火災の原因究明や再発防止策を示すべきと指摘。土木建築部の上原国定部長は「消防の現場検証は続いている。県も管理体制が十分だったか検証したい。関係機関とも調整し、再発防止に努めたい」と述べた。
山川氏は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に関し、国と県の対立について「裁判闘争を続けるのは異常だ。結果が出た場合、従うのが民主主義の下での知事のあり方だ」と玉城県政を批判した。
亀濱氏は、先島諸島で進む自衛隊基地建設工事の赤土流出対策について問うた。環境部の棚原憲実部長は「宮古島市保良の工事について、対策計画は赤土等流出防止条例に適合している。区域外への流出もない」と答弁。今後は立ち入り調査を実施し、確認することを明らかにした。
宮城氏は、平和の発信基地として国連機関を県内に誘致すべきと表明。企画部の宮城力部長は「他県の国際機関の誘致事例を調査している。国連機関の設置や運営で、地域に負担が生じる」と主張。
ただ、誘致した場合「アジア太平洋地域の課題解決に資する研究交流・共同研究の促進も期待できる」と話した。アジア地域の持続的発展と安定に貢献する平和人権問題研究所の設置については「県は国へ要望している」とした。