離島から石垣島への急患搬送に使用している旧石垣空港跡地の場外離着陸場(真栄里ヘリポート)が6日以降、石垣市新庁舎建設工事の本格化に伴い運用が停止され、新石垣空港内にある第十一海上保安本部石垣航空基地が第一選択肢となる。市消防本部(大濵安久消防長)によると、伊原間出張所の救急隊がヘリコプターの到着時間に合わせて同基地へ出動し、患者を引き継いだ後に県立八重山病院に搬送、待機時間を極力抑える方向で調整済みという。
県立八重山病院の篠﨑裕子院長らが5日午前、大濵消防長らを同院講堂に招き、真栄里ヘリポートが新石垣空港へ移動する可能性について、「市にはずっと旧空港滑走路に代替を作ってほしいと要望してきたが、改めて消防本部から市に要請してほしい」と訴えた。
篠﨑院長は「ヘリが降りられないから今後は真栄里ヘリポートを使用できないというのであれば、(医者が)乗るという判断をしなくなると思う」と強調。「輪番制でやっている本島の自衛隊の方に依頼する可能性も出てくる」と指摘した。
大濵消防長らは、県による新ヘリポートの整備については美ぎ島美しゃ(かぎすまかいしゃ)市町村会(会長・中山義隆石垣市長)が知事宛に要請作業を進めていると説明。「私たちも努力してないわけではない。医療従事者として1分1秒の重要性はよく分かるが、制限区域条件のクリアと安全確保がなされる必要がある」と話した。
また急患搬送に搭乗している医師からの「初期治療が行われていない重症度の高い患者の場合、第二の選択として直近に降りないといけないとう判断はだれがするのか」との問いに対しては、「(海保の)機長判断になる」と答えた。
また病院側から新しい搬送方法を分析する公開ミーティングの開催を要望する声もあった。