視点 【視点】新党、地方に光当て現実的な議論を 立憲民主、国民民主両党などの合流新党の代表選で、立民の枝野幸男代表(56)が国民の泉健太政調会長(46)を破り、初代代表に選出された。自民党に代わる政権の選択肢となるか注目される。 ただ枝野代表の発言を聞いていると、時を同じくして実施されている自民党総裁選に比べ「地方」への言及が少ないことが気になる。 枝野代表は代表戦で、政策の柱として、新自由主義から個人を重視する立憲主義への転換、公文書管… 2020/09/12
視点 【視点】独裁、強権まかり通る世界 世界で権力者が政敵を弾圧したり、報道の自由を抑え込もうとする動きが顕在化している。民主主義や自由を享受している国は一部に過ぎない。独裁や強権が堂々とまかり通る国際社会の現実を直視する必要がある。 ロシアでは8月、反体制派の指導者ナワリヌイ氏が国内の空港でお茶を飲んだあと、機内で突然意識を失った。ナワリヌイ氏が搬送されたベルリンの病院は、神経剤などに使われるコリンエステラーゼ阻害剤を検出したと発… 2020/09/11
視点 【視点】自民総裁選 3氏、地方に熱い思い 次期首相を決める自民党総裁選は8日告示され、石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)の3人が立候補を届け出た。14日投開票される。所信表明の演説会では、3人とも地方重視、東京の一極集中見直しに言及した。それぞれに沖縄との関係が深い3人でもあり、誰が当選するにせよ、沖縄や離島の振興に力を発揮する新政権の発足に期待したい。 石破氏は地方創生担当相の経験があり、選挙で… 2020/09/10
視点 【視点】「第3波」には十全の備えで 県は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発令していた独自の緊急事態宣言を解除した。だが人口10万人当たりの新規感染者数は全国最悪が続き、死亡者の報告も連日途切れない。いわゆる「第2波」のヤマは越えたのかも知れないが、引き続き「第3波」へ十全の備えが必要だ。 県内では感染者の急増で、医療機関の逼迫(ひっぱく)が大きな問題になった。要因の一つに、看護師が不足し、稼働できる病床が減少したことが… 2020/09/08
視点 【視点】現政権の沖縄振興継続を 安倍晋三首相の辞任表明後、自民党内では次期首相の選出に向け、総裁選をにらんだ動きが慌ただしくなった。誰が次期首相に就任するかは、沖縄の2大テーマである経済振興と米軍基地の負担軽減の行方にも大きく関わってくる。 安倍政権は沖縄振興に関し、任期中、仲井真弘多元知事と約束した毎年度3千億円台の振興予算を確保し、市との自由度が高い一括交付金の制度も維持した。 県や各市町村で長年の課題とされながら、な… 2020/09/01
視点 【視点】沖縄と縁深かった首相 史上最長政権を実現させたばかりの安倍晋三首相が28日、辞意を表明した。歴代首相の中でも、とりわけ沖縄や八重山と縁が深い一人であり、その存在感は大きかった。 沖縄の最大の課題である米軍基地問題では、日米合意に基づいた基地の整理縮小を推進し、北部訓練場の過半となる約4千㌶の返還を実現した。復帰後最大の面積であり、安倍政権下で基地負担軽減は一定程度進んだ。 普天間飛行場の辺野古移設は翁長雄志、玉城… 2020/08/29
視点 【視点】住民投票で決められるのか 石垣市平得大俣地区への陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票実施を市民30人が市に求めた訴訟で、那覇地裁は27日、訴えを却下した。住民投票の実施は、訴訟の対象となる行政処分には当たらないという判断だ。おおむね常識的な判決といえる。 中山義隆市長は16年12月、自衛隊配備の受け入れを表明。防衛省は500~600人規模の隊員を置く計画で、19年3月に駐屯地の造成工事に着手した。 今回は陸自配備計画を… 2020/08/28
視点 【視点】感染拡大 事実に基づく検証を 沖縄の新型コロナウイルス感染状況は、1カ月近く人口比で全国最悪が続いている。なぜここまで状況が悪化したのか、ファクト(事実)に基づく客観的な検証が必要だ。だが実際には、感染状況に関する肝心なデータがあやふやだったり、感染拡大の要因として、憶測ばかり広がっている傾向があるのが気がかりだ。 県が「重症患者」の基準適用を誤り、重症患者の数を過少に発表していたことが判明した。 国の基準では、重症患者… 2020/08/27
視点 【視点】「第1波越えた」という誤信 玉城デニー知事は13日、新型コロナウイルスの警戒レベルを、最高の「感染蔓延(まんえん)期」に引き上げ、県独自の緊急事態宣言も2週間延長すると発表した。一方で来県自粛要請には踏み込まず、従来通り観光客の受け入れを続ける姿勢を示した。 感染急拡大で医療機関の逼迫(ひっぱく)が深刻化し、14日現在で医療機関の病床は9割以上埋まっている。入院も宿泊施設の利用もできず、自宅療養を余儀なくされている感染者… 2020/08/15
視点 【視点】検査拡大路線、沖縄では破綻 「疑わしい人すべてに、検査、検査、検査だ」。3月、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向けて検査の徹底を訴えたのは、WHО(世界保健機関)のテドロス事務局長だ。 だが玉城デニー知事は今月7日、PCR検査の対象を見直すと発表した。重症化リスクがある人を除き、無症状者は濃厚接触者であってもPCR検査はしない。「緊急的な措置」としているが、全国で当然のように推し進められてきた「検査拡大路線」が、沖縄で… 2020/08/11
視点 【視点】沖縄と被爆地、ともに平和希求 1945年8月6日、広島に原爆が投下されてから75年経過し、広島市では平和記念式典が営まれた。 戦争被害というと県内では沖縄戦のイメージが強いが、原爆の惨禍も日本人として決して忘れてはいけない歴史だ。午前8時15分、人類史上最初の原子爆弾が炸裂した。広島市のホームページによると、同年末までに約14万人が死亡したと推計される。 今年は7月29日、放射性物質を含んだ「黒い雨」巡る広島地裁の判決が… 2020/08/07
視点 【視点】「第1波」上回る大波到来 県内離島の新型コロナウイルス感染状況は、新たな局面を迎えたようだ。石垣島に続き宮古島でもクラスター(感染者集団)が発生し、小規模離島の竹富町でも、初めて西表島在住者の感染が確認された。石垣市や竹富町独自の緊急事態宣言が出た4月ごろの「第1波」を上回る大波が到来したと見るべきだ。 感染の急拡大は、緊急事態宣言が解除されたことで「第1波」を乗り切った、という国民の過信、慢心、気の緩みが背景にありそ… 2020/08/06
視点 【視点】新型コロナ、スピード感ある対応を 新型コロナウイルスの感染拡大で、沖縄では医療機関の逼迫(ひっぱく)が深刻化してきた。厚生労働省の集計では、7月29日までの沖縄の病床使用率は36・6%で、1週間の上昇幅は全国最大だった。8月3日現在の病床使用率は146・6%に達し、入院できない感染者は200人を超えた。 沖縄の感染者数は7月25日からの1週間で、人口比では東京都を抜いて全国最多になり、感染状況は事実上、全国最悪とも呼べるレベル… 2020/08/05
視点 【視点】コロナ禍の中 八重高が県制覇の偉業 高校野球の2020年夏季大会は2日の決勝で、八重山高校がKBC学園未来沖縄を4―2で破り、初優勝を果たした。同校は決勝で沖縄水産に敗れた1988年以来、32年越しの宿願を達成。八重山勢としては2006年夏の八重山商工以来、14年ぶりの頂点に立った。 新型コロナウイルスの影響で、今年は春も夏も甲子園はない。優勝を果たし、歓喜に包まれた選手たちの目には涙もあった。本来なら次のステージとなる甲子園が… 2020/08/04
視点 【視点】初のクラスター、高まる危機感 石垣市美崎町のキャバクラで、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した。県内離島では初のクラスターで、医療体制が脆弱な環境だけに、住民には衝撃が走っている。 県や石垣市によると、7月23日からの4連休で石垣入りした福井県の観光客6人が、23日から複数回、この店を利用した。6人は福井県に戻ったあと、新型コロナに感染していることが分かった。 観光客に接客した女性従業員が濃厚接触者にな… 2020/08/01
視点 【視点】「アフターコロナ」の観光確立を 県は、県内の新型コロナウイルス感染状況が、4段階の警戒レベルのうち2段階目の「流行警戒期」に入っていると判断した。県内の新規感染者は28日も過去最多を更新し、初めて20人を突破した。県の専門家会議は「沖縄本島中南部で流行が始まっている」との認識を示しており「第2波」と呼ぶかどうかは別にして、大きな感染の波が沖縄に迫っていることは確かなようだ。 玉城デニー知事は28日の記者会見で、現段階では来県… 2020/07/29
視点 【視点】感染急拡大「第2波」の懸念強まる 専門家が「必ず到来する」と予言していた「第2波」が、予想より早く迫っているのかも知れない。東京都の新型コロナウイルス感染者が23日、初めて300人を超えるなど、国内の感染者数は急拡大している。 沖縄でも連日のように感染者が確認され、23日で累計160人を突破した。県内の感染者数にはカウントされないものの、在沖米軍の感染者も日々増加している。 県内では4月末以来、約2カ月感染者が確認されず、落… 2020/07/24
視点 【視点】夏の観光シーズン 安心安全な島に 23日からの4連休は観光業界には書き入れ時で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の誘客効果もあり、本来なら住民の期待が膨らむ時期になるはずだった。ところが首都圏で新型コロナウイルスの再拡大が鮮明になり、逆に住民の不安が高まる皮肉な状況になってしまった。感染者をなるべく島に入れない、万一感染者が出た場合でも絶対にウイルスを広げない。「安全安心」な観光地を目指す取り組みの真価が問われようとし… 2020/07/18
視点 【視点】米軍感染拡大 危機管理疑わせる事態 在沖米軍で新型コロナウイルスの感染が相次いでいる。東京都でも連日200人超の新規感染者が報告され「第2波」到来への懸念が強まる中、在沖米軍で感染が拡大することは、沖縄にまた一つ大きなリスクを背負わせることになる。日米両政府には厳重な感染防止措置を取ってほしい。 県によると、在沖米軍の感染者数は今月に入り計98人に上った。感染者の所属先は普天間飛行場(宜野湾市)、キャンプ・ハンセン(金武町)、嘉… 2020/07/14
視点 【視点】デジタル化 離島振興の追い風に 政府が経済財政運営の指針として月内に決定する「骨太方針」の原案が8日公表された。新型コロナの経験を踏まえた「新たな日常」を見据え、デジタル化の推進や、東京一極集中の是正が大きな柱だ。 新型コロナの感染拡大防止に向け、教育や医療などのオンライン化や、テレワーク定着などの取り組みを盛り込んだ。 離島県である沖縄や、離島の離島である八重山などにとって、こうした取り組みは新型コロナ対策としてだけでな… 2020/07/11