㈱八重山食肉センター代表取締役社長の中山義隆石垣市長は30日午後、市役所で記者会見し、公益財団法人日本食肉生産技術開発センターから26日付で、牛と畜解体、内臓処理、部分肉加工の部門で製品の安全性を確保する管理手法「HACCP(ハサップ)」の認証を受けたと発表した。HACCPの完全義務化が始まる6月までに豚、ヤギ、馬の部門でも認証獲得を目指す。
中山市長は「安全な食肉を提供する体制を確立した。地域資源のブランド化や特産品の製造、海外輸出に向けて引き続き施設や機器の整備に取り組む」と話した。
導入後はハサップの7原則・12手順に沿って、原材料の受け入れから加工・出荷までの各工程で衛生管理表の記入や作業前の現場チェック、工程のモニタリングなどを徹底。微生物による汚染や異物混入、危害の防止に努める。
同センターは2019年度から、ハサップ導入に向けて日本食肉技術センターや保健所のアドバイスのもと、書類作成や業務改善の見直し作業に取り組んできた。
昨年度に設置された事業部衛生・品質管理課の大浜将課長補佐は「海外輸出という目標に向けて、まずは沖縄一の衛生管理を目指す」と意気込んだ。
ハサップは2018年の「食品衛生法」改正により今年6月から導入義務化が決定した、安全な食品を提供するための製造工程管理方法。NASA(ナサ、アメリカ航空宇宙局)が絶対的に安全な宇宙食を製造するために構築。幸喜俊明総務部長によると、日本でもオリンピックを見据えて世界レベルの安全基準を満たす目的で導入されたという。
同センターは輸出先の有力候補としてマカオ・タイ・ベトナムを挙げ、輸出先国の規制やニーズへ対応した製品を製造するため、海外輸出向けハサップ等の認定・認証取得を目指すとした。