新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」指定に伴い、玉城デニー知事は10日、県庁で記者会見し、県内全域に不要不急の外出や移動自粛を求める方針を表明した。県が定める4段階の警戒レベルは、最上位の「感染まん延期」へ引き上げる。「重点措置」の適用対象は沖縄本島の那覇市など9市とした。「重点措置」の適用期間は4月12日から5月5日の24日間。
飲食店に対しては、県内全域で営業時間を午後8時までに短縮するよう要請。酒類提供は午前11時から午後7時までとするよう求めた。アクリル板設置などの感染予防対策も要請した。
県民への要請事項は①県外、離島との不要不急の往来自粛②歓迎会、模合などの自粛③同居家族だけとの会食実施―など。
「重点措置」の指定地域は那覇市、浦添市、宜野湾市、沖縄市、うるま市、糸満市、豊見城市、南城市、名護市。指定地域の飲食店には時短営業を命令でき、従わない場合は過料の罰則を科すことができる。
時短要請に応じた飲食店は、中小企業には売り上げに応じて1日4~10万円、大企業は売り上げ減少額の4割、1日最大20万円を支給する。指定地域以外の飲食店は全期間、時短要請に応じた場合に一律96万円を支給する。
適用期間中、県は飲食店にコロナ対策の徹底を促すため職員による巡回指導を実施。店舗への認証ステッカー付与も行う。5月中旬からは民間委託で指導を継続する。県内の1万2000店舗が対象。
県内20市町村に現在出している時短要請は11日付で終了する。
玉城知事は現在の感染状況について「今年初旬に県が独自で出した緊急事態宣言時を上回っている」と指摘。医療提供体制の逼迫に危機感を示し「一般医療やワクチン接種にも影響する」と懸念した。
感染力が強いなどとされる変異株が県内で拡大していることにも触れ「一刻の猶予もない重要な局面だ。警戒レベルを第4段階に引き上げ、全県的な対策を実施する」と強調した。