玉城デニー知事は15日の定例記者会見で、沖縄の新型コロナウイルスワクチン接種率が低迷している理由に関し「(沖縄は)全国で高齢化率が最も低く若年層が多い」と述べ、他の都道府県に比べ、接種に対する意識が低いとされる若年層が多いことを挙げた。人口が多い市町村で接種体制の構築に時間を要したとも指摘した。
国のVRS(ワクチン接種記録システム)に基づいた数値では、12日現在、沖縄の1回目接種率は全世代で64・03%となり、全国平均(71・65%)を7・61ポイント下回っている。
すべての年代で全国平均を下回っているが、特に20~30代の若年層は60・2%で、全国平均(65・44%)を5・25ポイント下回っており、他の世代に比べ全国平均との差が最大になった。若年層の意識向上が課題になっている。
玉城知事は県内の感染状況が落ち着いてきたことを挙げ「緊張感が少し薄れてきているのではないかという声も聞こえる」と接種率低迷を危ぐ。「接種率は伸び続けているが、一部の市町村で停滞している。自治体には地域住民に(接種を)呼び掛ける手法を考えてもらう」と指摘した。
県は遅くとも10月までに全人口の70%に当たる104万人以上に1回目接種を実施する目標を定めた。今後、市町村別に接種状況を詳細に分析し、市町村との意見交換などを通じて接種の加速化を図る。
政府の緊急事態宣言解除後、県は独自措置として10月を「感染拡大抑止期間」と位置付け、飲食店への営業時間短縮要請を続けている。19日に感染状況に関する県疫学統計解析委員会の分析結果を検討し、専門家会議や経済団体会議の意見も聞いた上で、来週中には同期間を前倒し解除するか決める。
玉城知事は「県内の感染状況が改善されてきたとはいえ、コロナの脅威がなくなったわけではない。状況はしっかり見極めたい」と強調。県民に対し「自粛が続く苦しい場面を繰り返さないよう協力してほしい」と、飲み会自粛などを呼び掛けた。