魚釣島南側で荒廃進む ヤギ食害、漂着ごみも確認 尖閣諸島調査

ドローンによる空撮で植生の荒廃が進んでいる可能性が示唆された魚釣島の南側斜面=1月30日(石垣市提供)

石垣市は、1月末に実施した尖閣諸島周辺海域調査の結果を10日、ホームページで公表した。尖閣諸島・魚釣島上空で実施したドローン調査で南側の斜面を確認したところ、植生の荒廃や崩落による岩肌の露出が進んでいる様子が確認された。ヤギの食害が原因とみられる。島の北側は十分な調査ができなかったため、夏季に調査する必要性があるとしている。
尖閣諸島周辺海域調査は昨年1月に続き2回目。石垣市の調査船は1月30日早朝に魚釣島南側の海域に到着し、午前8時ごろからドローンを飛行させ、主に同島南側の斜面を空撮した。調査報告書には、植生の荒廃と岩肌の露出が進む南側斜面の写真が複数枚掲載されている。ヤギの姿は確認できなかった。
北側の斜面は南側に比べ傾斜が緩く、比較的植物に覆われており、斜面の崩壊もそれほど進んでいないようだった。夏季に北側斜面の様子をドローンで調査すれば、ヤギの生息も確認できる可能性があるという。
魚釣島の漂着ごみは、北側の海岸で多数確認された。南側の海岸にはほとんど見られないが、北からの季節風が強いため、流された漂流ごみが北側の海岸に長期間にわたり蓄積している可能性がある。先島諸島の他の島々でも同じ傾向があり、定期的な海岸清掃が必要な状況となっている。
南からの季節風となる夏季は、ごみの漂着状況が異なる可能性がある。
調査翌日の1月31日に石垣市役所で行われた会見で、中山義隆市長は魚釣島について「ヤギの食害が進んでいる。早急な対応が必要」と指摘。東海大学の山田吉彦教授は夏期調査の必要性を訴えた。
魚群探知機による周辺海域の探査では、尖閣諸島周辺海域の3カ所で魚群が確認された。他の海域より比較的多くの魚群が分布する可能性があり「尖閣諸島周辺海域の高い漁業生産性を示唆する結果」としている。計量魚探による資源量の推定が必要とした。
今後、夏季に実施したい調査項目として、尖閣諸島の植生状況調査、魚釣島のヤギ生育調査、海洋漂流ごみや海岸漂着ごみの観測などを挙げた。

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