県内の主要選挙は2014年の知事選以来、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力対自公の対立構図が定着している。石垣市長選に立候補している前市議、砥板芳行氏は「オール沖縄」を標ぼうしていないが、支持層は重なっており、事実上、玉城知事と共闘体制を組む。前職、中山義隆氏は過去4回の市長選と同様、自公の選挙協力体制に支えられる。両候補に玉城県政への評価を聞いた。
▽公正公平
「あまり思想信条やイデオロギーにとらわれず、公正公平な県政運営をしていると評価する」
砥板氏は、玉城知事の県政運営を肯定的に受け止める。
「普天間飛行場の辺野古移設問題では政府と対峙しているが、一方で安全保障や国防体制についても、もう少し知事の考えを示す必要があるのではないか。とりわけ離島振興、先島諸島で進む軍事力強化、九州・山口への避難計画については、もっと積極的にコミットしていくべきだと思う。そのあたりに物足りなさを感じる」
現在、県内11市で「オール沖縄」勢力の市長はゼロ。砥板氏が当選すれば「オール沖縄」こそ名乗らないものの、玉城知事を支持する市長が11市で初めて復活する。八重山で「オール沖縄」勢力と協調する首長が誕生するのも初となる。
▽二重基準
「辺野古移設問題をはじめとする米軍基地問題に多くを割いて、離島の生活、県民の物価高対策にほとんど取り組んでいない。特に離島政策に関しては全く評価していない」
中山氏は、玉城知事への不信感をあらわにする。
「尖閣諸島諸島に関しても、知事は中国に何ら抗議せず『国がやること』と言っている。だが米軍基地問題に関しては米国に何度も行って抗議しており、中国と米国への対応が全く逆だ」と知事の「二重基準」を批判する。
市長在任中から「オール沖縄」勢力批判の急先鋒だった中山氏。石垣空港の「特定利用空港」指定を巡っても、慎重姿勢を崩さない玉城知事を名指しして不満を表明してきた。
中山氏が再任されれば、来年の知事選をにらみ、再び玉城県政との対決姿勢が鮮明になると予想される。(おわり)