出直し選きょう決着 市政継続問う、深夜大勢判明 石垣市長選

 石垣市の中山義隆前市長(58)=自民、公明推薦=の失職に伴う出直し市長選は17日投開票される。新人の前市議、砥板芳行氏(55)、5期目を目指す中山氏が一騎打ちの激戦を展開。中山市政継続の是非が最大の争点で、選挙結果は中山氏が進めた台湾基隆―石垣定期フェリー航路の行方などを左右する。石垣市は台湾に近く、尖閣諸島を行政区域に抱えており、誰が当選するかは政府の安全保障政策にも影響しそうだ。結果は深夜に大勢判明の見通し。

 選挙戦最終日の16日には、砥板陣営が八島町の街頭、中山陣営が平得交差点で打ち上げ式を開き、選挙戦を締めくくった。
 市選挙管理委員会によると、新市長の任期は17日から始まるが、正式な就任は18日、選挙結果の告示後になる。新市長への当選証書付与式は18日午後2時から、市長就任式は午後3時から市役所で開かれる。

 砥板氏は「変えよう長期政権」をスローガンに多選批判を展開。当選すれば台湾航路開設に対する補助を打ち切る考えを示す。中山市政が支援してきたゴルフ場付きリゾート施設建設にも慎重な立場だ。
 台湾有事を想定した住民保護計画は現実性を疑問視。陸上自衛隊石垣駐屯地の増強には慎重姿勢で臨み、市内での日米共同訓練は認めない。

 中山氏は「島を守る、人を守る」をスローガンに15年間の実績を強調。4期目で「やり残した仕事」として台湾航路開設、ゴルフ場建設を引き続き推進する。台湾有事を想定した住民保護計画は内容の充実を求め、石垣駐屯地の増強はその都度判断する。
 市内での日米共同訓練は、日本全体の安全保障に資することを条件に容認する。

 砥板氏は革新層を支持基盤としており、勝利すれば事実上、15年ぶりの革新市政奪還となる。「オール沖縄」は標ぼうしないが、玉城デニー知事とは支持基盤が重なり、県内11市で初めて「オール沖縄」勢力と共闘関係の市長が復活する。
 中山氏が当選すれば、市政史上の最多当選を達成し、保守市政が継続する。市政運営では、自公政権との協力関係を背景に地域振興を図る。

 市選挙管理員会によると、当日有権者数は3万8620人(男1万9526人、女1万9094人)。
 17日の投票は市内21カ所の投票所で午前7時から午後8時まで(一部は午後7時)まで。開票は午後9時から市総合体育館メインアリーナで行われる。

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