石垣市の観光関係者が集まり、島の観光のあり方を論議する「プラットフォーム会議」が24日夜、市健康福祉センターで開かれた。石垣市の観光人材育成プロジェクトで結成された八重山高校のグループ「Chura★I(ちゅらあい)」の5人が観光客や石垣島住民に対するアンケート結果を発表し「観光が盛り上がるために必要なものは、ないものを求めるのではなく、今あるものを磨くこと」と訴えた。
パネルディスカッションも行われ、株式会社ジャパンライフデザインシステムズの谷口正和代表取締役社長がコーディネーターを務めた。
パネリストとして参加した「Chura★I」のメンバーからは「石垣は観光が盛り上がっていると言われて偶像化されているが、自分ごとだと思っている人は少ないのでは」「生まれも育ちも石垣の人より、よそ者のほうが石垣が好きだと感じる時がある。自分の足元に何があるのか考えることが(地元への)『愛』になる」などという声が上がった。
「Chura★I」を指導した八重山高校教諭の伊集満枝氏は、観光地の環境を守るために、観光客が意識を変える必要性を強調し「そろそろ、観光に関する価値観を変えないといけないと共生はできないのではないか」と述べた。八重山青年会議所の前田弘樹氏も「環境への意識は日本全体で高まっている。今、壊れつつある環境をあえて見せて課題化するツアーも面白いかも知れない」と問題提起した。
市観光交流協会の西仲野正巳氏は、「観光客と地元の人の交流があってこそ観光が成り立つ」と説明。八重山ビジターズビューローの金城徹氏は、修学旅行で八重山への来島を希望する学校から「地元の人と触れ合うコンテンツがほしい」と要望があることを明かし「地元の高校生が島を案内するのも面白いと思う」と提案した。
谷口氏は「投資の短期回収ばかりを繰り返すのではなく、目線の長い考え方をする練習が大事。未来の生きざまを我々が見せるという島にならなければ」と高校生の挑戦に期待した。
パネルディスカッションに先立ち、八重山青年会議所による石垣島の自然環境に関する住民意識調査の結果を前田氏が発表。谷口氏の基調講演もあった。