環境省の2018年度イリオモテヤマネコ保護増殖検討会(土肥昭夫座長)が8日、竹富町役場で開かれ、2018年度の活動報告と、19年度の実施計画案を確認した。次年度事業では、ヤマネコの交通事故が過去最悪になったことなどから、より効果的な交通事故対策を行う予定。
■目撃293件
2018年のイリオモテヤマネコ目撃件数は293件となり、6年ぶりに300件を下回った。目撃地点は例年同様、県道や県道付近の農地。
保護増殖事業の生息状況モニタリングでは、島内27地点で実施した。18年のヤマネコ交通事故は9件と過去最悪を記録した。1978年から19年2月末時点で、事故件数は88件。
■年度事業
2019年度の取り組み案としては、近年の交通事故増加の現状を踏まえ、交通事故対策を強化する。継続的な草刈り体制の構築や、路上侵入抑制柵の検討・試行を行う。また、通過型センサーカメラを用い、西表島全域の個体群動態把握の調査手法の確立を目指す。
ソフト面では、竹富町地域おこし協力隊や民間企業らと連携し、県道の草刈りとアンダーパス清掃作業を定期的に実施する体制を構築する。ハード面では主に、子連れ個体を主対象とした飛び出し抑制のため路上進入抑制柵の設置を検討する。
■ノラネコ捕獲
竹富町ペット適正飼養推進事業の報告では、18年1月1日から同年11月20日まで、町内でノラネコ捕獲を実施した。
西表大富と住吉で捕獲活動をした結果、5頭のノラネコを捕獲した。内訳は大富4頭、住吉1頭。このうち、2頭は里親へ、残り3頭は島外へ移送した。
ネコシェルターの収容状況としては、2004年から2018年までの約15年間で、西表島からネコシェルターに移送されたネコは383頭。譲渡330頭、死亡は48頭。18年中、島内で新たに飼養されたネコは7頭だった。