米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で、県が辺野古沿岸の軟弱地盤改良に向けた防衛省の設計変更申請を認めない構えを示していることに対し、20日、自民党から批判の声が上がった。県の新石垣空港建設工事と比較し「行政の二重基準だ」と指摘した。防衛省は、来月にも県に設計変更を申請する方針を固めている。
この日始まった県議会代表質問に座喜味一幸氏が登壇。新石垣空港建設工事で滑走路予定地の下に空洞が発見された際、県が設計を変更して補強工事を行ったケースを挙げた。
その上で「軟弱地盤の処理は粛々と設計変更を進めるべき。なぜ国が(設計変更を)やったら認めないのか。イデオロギーで行政が歪められている典型だ」と疑問視した。
県は、沖縄防衛局が昨年4月、辺野古沿岸のサンゴを移植するために申請したサンゴ採捕許可に関しても、標準処理期間である45日を大幅に超過した現在も判断を示さず、事実上放置している。
そのため農水相から申請を許可するよう勧告を受けたが、辺野古移設を巡って国と係争中であることを理由に拒否した。
この件に関しても座喜味氏は「政治的な判断から許可を引き延ばしているのは、行政の公平性に反しており、違法そのものだ。自らが行政の公平性を歪めている中で、国に対話での解決を求めても、何ら解決にならない」と追及した。
照屋守之氏は、辺野古移設工事の事業費について、県が最大2兆5500億円と試算する一方、国が現地の警備費を含め最大9300億円としていることについて「誤解を与えかねない」と述べた。「建設費をさらに抑えるため、県は工事への協力体制を作ったほうがいいのではないか」と求めた。
玉城デニー知事は「国に対しては、工事を直ちに中止した上で話し合いに応じるよう求めている」と改めて移設阻止への決意を表明。池田竹州知事公室長は「日本の安全保障が大事なら日本国民全体で考え、負担も全国民で担うべきだ」と求めた。