「ビジネスモデル変化を」 コロナ後、安心安全最優先 沖縄公庫支店長に聞く

インタビューに答える前村支店長=10日午後、沖縄公庫八重山支店

 新型コロナウイルスの影響で観光業が打撃を受け、八重山経済は岐路に立たされている。6月に就任した沖縄振興開発金融公庫の前村司支店長(52)に「アフターコロナ」の経済の見通しや、沖縄公庫の支援策などを聞いた。

 ―コロナ禍の影響は。
 「当面は続く。事業者は安全・安心を最優先する必要があり、今後は生活スタイルや観光ビジネスモデルも変化を余儀なくされる」
 「具体的には『3密』回避、消毒の徹底、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保つことなどが求められる。新たな経費増や売り上げ減などの影響が考えられるが、その上で利益を出せるビジネスモデルに変えなくてはならない」
 ―沖縄公庫の取り組みは。
 「新たなビジネスモデルに転換するための費用も含め、多様な資金需要に対応したい。沖縄公庫八重山支店の昨年度の融資実績は約57億円だったが、今年は新型コロナ関連融資額が6月までで100億円を超えた。融資実績として過去最高額だ」
 「中小零細企業は財務体力が弱く、売り上げが減少すると2~3カ月で資金繰りが厳しくなる事業者もいる。『第1波』に対し、支店として総動員で商工会とも連携して取り組み、ひとまずは資金需要に対応できたと思う。『第2波』への警戒と対策を怠らず、緊張感を持って取り組む」
 ―これまで八重山観光は右肩上がりだったが「コロナ後」は。
 「観光のあり方は変わってくると思う。当面は海外旅行を控え、安全・安心な国内旅行を求める傾向が続く。世界自然遺産登録の手続きが進むなど、八重山のポテンシャルは高い。ワクチンが開発されるなどコロナ禍が終息すれば、八重山観光の回復は早いだろう。新型コロナ対策を徹底し、安全・安心を目指す取り組みは続ける必要がある」
 ―新型コロナ対策以外でも、公庫が果たす役割は大きい。
 「八重山は物流コストが高く、進学の経費もかかる。事業資金や教育資金には離島特例があり、融資限度額の増額や金利低減制度で支援を強化している」
 「創業支援では、事業者に経験を積んでもらい、自己資金を確保してもらうことも大事だと考えている。公庫のコンサルティング機能を発揮し、アドバイスしていきたい」
 ―八重山勤務の感想は。
 「公庫採用後、最初の支店勤務が八重山で、27年ぶりの赴任になる」
 「当時に比べ、南ぬ島石垣空港の開港、大型リゾートホテルや商業施設の建設、インターネットをはじめ通信・放送環境が整備された。石垣牛、マグロ、パイン、マンゴーなどの特産品生産も活発になり、入域観光客数は当時の40万人台から148万人と、4倍近く伸びた。インフラ整備と生活環境の向上が進んだと感じる」
 「当時は離島巡りやダイビングを楽しみ、地元の草野球チームにも参加した。コロナ禍が終息すれば、久しぶりに再開したい」
 ◇  ◇  ◇
 前村司支店長 1968年、那覇市生まれ。琉球大経済学科卒。91年に沖縄公庫に採用され、本店のほか中部、北部支店や東京本部などで勤務。前職は本店庶務部会計課長。

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