石垣市は今年の夏休み期間中、就労中のひとり親家庭の子どもを受け入れる居場所づくりに取り組む。元小学校教諭の学習支援員を2人配置し、生活指導や学習支援を行う。例年、夏休み期間中は子どもの預け先に苦慮しているひとり親も多く、一般社団法人石垣市ひとり親家庭福祉会は「保護者の不安が解消される」(丸山さい子会長)と歓迎している。
市によると、市内のひとり親家庭は約820世帯。このうち小学校1年~3年生の子どもが受け入れ対象になる。市が公共施設の一角に子どもの学習室を確保。コーディネーター1人と学習支援員2人で子どもを指導する。
市ひとり親家庭福祉会によると、保護者は経済的な困窮や、島外出身で周辺に親せきがいないなどの理由で子どもの預け先が見つからないケースも多い。「親は働かなくてはならないため、夏休み中の居場所のニーズは大きかった」(丸山会長)という。
市は受け入れる子どもを20人程度と見ており、5月中には申請を受け付ける体制を整えたい考え。困窮している家庭の利用が見込まれるが、申請の際に所得制限をかけるかどうかは「調整中」(市こども家庭課)としている。学習室の場所も現時点では決まっていない。
子どもの居場所づくりには、国の「ひとり親家庭等生活向上事業」を活用。事業費約百万円の半額を国、4分の1ずつを市、県が負担する。県内では糸満市などが同事業を導入している。