石垣市議会(平良秀之議長)は14日の臨時会で、沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使用しないよう求める議員提案の意見書を賛成多数で可決した。沖縄本島南部地域には沖縄戦で犠牲を強いられた県民や兵士の遺骨が残されていると指摘。日本政府が主体となって遺骨収集を実施することを要望した。
意見書では「沖縄戦で犠牲になった人々の遺骨が入った土砂を埋め立てに使用することは人道上許されない」と訴えた。宛て先は衆参議長、首相、沖縄担当相など。野党の宮良操氏が提案した。
意見書は、南部地域の土砂が米軍普天間飛行場の辺野古移設工事に使われる可能性を危惧した遺骨収集ボランティアの反対運動が発端。県内各地の議会で同趣旨の意見書可決が相次いでいる。
野党の長浜信夫氏は、県議会では「辺野古」という文言を入れないことで与野党が歩み寄ったとして「(遺骨を含んだ土砂の使用は)県民感情が許さない」と指摘。中立会派「未来」の箕底用一氏は「辺野古移設は容認するが、土砂に遺骨が入っている限り、埋め立てに使用することはあってはならない」と強調した。
野党は「できれば全会一致を」と求めたが、公明を除く与党は「意見書の趣旨には同意する」とした上で内容について反対した。
仲間均氏は「沖縄では恐らく、どこの土砂を取っても戦没者の遺骨を含む可能性はある。調査をした上で土砂は使用すべきだ」と意見書を疑問視。
砥板芳行氏は「那覇軍港移設やクルーズ船の岸壁整備などが予定されている中で、一緒くたに『南部の土砂で埋め立てさせない』となると、すべての公共工事に影響が出てしまう」などと意見書を批判した。
採決では野党、未来、公明の10人が賛成し、与党7人が反対した。4人は欠席した。