ワクチン、26日接種開始 集団接種は5月16日から 80歳以上を最優先に 石垣市 

 石垣市は、高齢者施設の65歳以上の入所者と職員を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種を26日から開始する。一般の高齢者を対象にした集団接種は、80歳以上を最優先に5月16日からスタートさせる方向。八重山で高齢者向けのワクチン接種が始まるのは初めて。19日、市役所で記者会見した中山義隆市長は、高齢者対象の接種について「6月中に完了するよう進める」と表明した。

 高齢者施設は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、認知症対応型共同生活介護の計16カ所。施設職員も同時に接種する。市によると入所者は計536人、職員は計430人。各施設での接種となる。
 市には高齢者向けのワクチンが15日に1箱到着し、22日ごろにはもう1箱の到着が見込まれている。1箱で975回分接種可能。ワクチンは3週間おきに2回接種する必要があるが、高齢者施設の入所者、職員に接種するワクチンは、2回目も含め、この2箱ですべて確保できる見込み。
 接種を高齢者施設から始める理由について市は「重症化リスクやクラスター(感染者集団)発生の可能性を懸念した」(中山市長)としている。
 一般の高齢者を対象にした接種は5月16日から毎日実施する予定で、医療スタッフとして沖縄本島の医療機関からの応援も仰ぐ。優先順位は➀80歳以上➁75歳~79歳➂70歳~74歳➃65歳~69歳―とする。接種券は最優先となる80歳以上へ23日に発送し、その後、それぞれの年齢区分に応じ、時期をずらして順次発送する。65歳以上の人口は3月末現在で1万1107人。
 集団接種の会場は基本的に健康福祉センターだが、状況によって屋内練習場、総合体育館の利用も検討する。
 一般の高齢者向けワクチンは5月9日の週に最初の3箱届く見込み。以降は毎週のように届く可能性があるという。到着数によっては、優先順位をつけるための年齢区分をさらに細分化する可能性もある。
 中山市長は「5月以降、ワクチンの到着もある程度数量が見込める。6月末までに65歳以上の接種を全部終えれば、その成果をもとに国、県に一般住民向けワクチンの優先配布をお願いできると思う」と指摘。「ワクチンは観光客の受け入れなど、日常生活を取り戻す大きな力になる」と期待した。
 竹富町、与那国町でのワクチン接種は5月に始まる。医療従事者向けのワクチン接種は3月から始まっており、5月までに終了する予定。

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