玉城デニー知事は9日、国の新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」の対象に石垣市を追加した。市内の対象店舗540店に12日から31日まで、午後8時までの営業時間短縮(テイクアウト・デリバリーを除く)を求め、時短に応じた店舗には売り上げ高に応じて協力金を支給する。既に多くの飲食店が時短に踏み切っているが、今後は非協力店舗に対し、県が罰則付きで命令できる。
「GW(ゴールデンウィーク)後の感染状況から、市にまん防が適用されるのは当たり前だと思った」と話すのはバー経営者の男性。「重点措置」適用期間の31日まで店を閉めるという。
男性は「正直に言うと時短は意味がないと思うし、酒の提供ができない理由は分からない。本当にコロナを終息させたいなら海外・国内からの入島を禁止し、お店も休業させるべき。徹底した対策をしないといつまでも終わらない」と複雑な心境を明かした。
県は、正当な理由なく時短要請に応じない店舗には命令を出し、従わない場合は20万円以下の過料を科せるとしている。
居酒屋を経営する男性は、罰金の可能性があっても時短要請には応じない考えを示す。
「従業員とお店を守るためには今まで通りの営業を続けたい。どの店舗が正しいのか分からないが、おのおのの判断でやっていくしかないのでは。感染対策は徹底するし、拡大させてはいけないという気持ちは一緒」と語った。
美崎町でバーを営む代男性は「重点措置」適用後、夜から昼に営業時間帯をシフトするという。「過去に感染者が来店し、従業員全員がPCR検査を受けることになった。全員陰性だったのは良かったが、自分の店から人にうつしてしまうのが恐い。自分だけなら休業していたと思うが、従業員もいるので店を開けざるをえない」と切実な表情を見せる。
美崎町で飲食店を経営する60代男性は、4月12日から休業し、テイクアウトに切り替えてなんとか食いつないでいる状況という。
「夜の美崎町は空いている店に客が集中していたので、感染者が出るのは時間の問題と思っていた。今回の措置は感染拡大を防止する意味でも仕方のないことだと思う。12日から店を再開する予定で準備を進めていただけに残念」と肩を落とした。
県は今後、市と協力し、民間への業務委託も視野に、市内飲食店への巡回指導を再び実施する考え。