一定の距離保ち漁船追尾 中国船、船体撮影を警戒か 尖閣周辺

 石垣市の尖閣諸島周辺海域に10日領海侵入した中国海警局の船2隻が、地元漁船を追尾する際、一定の距離を保ち、必要以上の接近を避けていたことが11日、漁船に乗船していた仲間均市議(71)の証言で分かった。仲間氏は「船体の映像を撮影されることを警戒したのではないか」と話している。
 仲間氏ら3人が乗船した八重山漁協所属の漁船「鶴丸」は10日午前、尖閣諸島の魚釣島周辺海域に到着。現場では機関砲のようなものを搭載した「海警2202」のほか「海警1401」が待ち構えており、ただちに鶴丸の追尾を始めた。
 鶴丸は操業を開始し、海上保安庁の巡視船が警護に当たった。その間、中国海警局船は遠巻きにしていただけだったという。
 鶴丸は11日午後、石垣島に戻った。中国海警局船は領海内を約21時間航行し、11日午前8時40分ごろから、相次いで領海外側の接続水域に出た。
 「鶴丸」が4月に尖閣海域へ出漁した際、中国海警局船は漁船の目前まで接近し、威嚇するような様子を見せた。
 仲間氏は、この時の映像をテレビ局に提供し、ニュースで大きく取り上げられた。自らのユーチューブでも追尾する中国船の映像を公表し、1カ月で再生回数は約17万回に達するなど、大きな反響を呼んでいる。
 仲間氏は「映像に大きな関心が集まったため(海警局船は)漁船を威嚇することに慎重になったのかも知れない」との見方を示した。ただ、尖閣周辺海域で漁船が追尾される状況は変わっていない。仲間氏は「尖閣諸島が今のような状況になったのは、政府が放置していたからだ。固有の領土として、自信を持って実効支配を強化すべきだ」と訴えた。
 今回の出漁ではアカマチなど数十キロの水揚げがあったという。

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