県は5月31日、石垣市で過去最多の25人が新たに新型コロナウイルスに感染した、と発表した。感染急拡大が続く状況を受け石垣市の中山義隆市長は同日夕、市役所で記者会見し、市独自の「非常事態宣言」を発表。市民に1日から2週間の自宅待機を呼び掛けた。
県によると、石垣市の直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は211・86人で、全国最悪の沖縄県(124・83人)を上回り、県内11市の中でも最悪。市は市中感染が広がっている可能性も懸念している。
中山市長は記者会見で「市民一人ひとりに従来に比べてより強い感染防止に向けた行動を取ってもらう必要がある」と強調。市民に1日から2週間の自宅待機を要請し、例外として➀食料品・生活必需品の入手➁急をを要する医療機関の受診➂新型コロナワクチン接種➃どうしても外出を要する仕事―などを挙げた。
家族以外の複数人での会食や飲み会は「いかなる場合でも絶対に控えて」と強く自粛を求めた。各事業所に対しては、テレワークなどによる可能な限りの出勤者減、徹底した換気、職場での従業員同士の昼食禁止を挙げ「協力してほしい」と述べた。市職員の時差出勤や交代勤務も検討する。
変異株は若年層への感染力も増しているとされ、5月以降、若年層の感染も増えているため、高校生以下に対し「友人と集団で遊ぶことは控えて」と述べた。家庭内感染にも改めて注意を促した。
石垣市は「第1波」が到来した昨年4月に「非常事態宣言」を出した。それ以来となる市独自の宣言について「さらにレベルが高い宣言。今まで以上に対策の徹底をお願いしたい」と説明した。
市内では午後8時以降も営業している飲食店や、酒類を提供している飲食店が10数店舗確認されており、市は6月1日、県と連携して巡回指導する。
中山市長は「陽性者がずるずる出続けると宣言が延長されることなり、頑張っている店舗の努力が報われない。皆で力を合わせて2週間我慢することで、感染拡大を抑え、経済や市民生活を動かしていく」と期待した。
市立小、中学校や幼稚園は2~13日まで臨時休校・休園する。