新型コロナウイルス感染拡大で2日から臨時休校していた石垣市内の小中学校が、14日から授業を再開した。再開後も感染対策の徹底と、コロナ再拡大に備えたオンライン環境の整備などが課題になる。県立高校は一部の学校を除き、20日まで休校予定。
石垣中学校(入嵩西義晴校長)では、正門で生徒会の生徒が道路脇の落ち葉やごみを清掃。教諭らは登校する生徒に「おはよう、今日からまた頑張ろうな」などと声をかけた。
1年生の女子生徒は「休校中は友だちに会えなくて寂しかったが、お母さんに学習アプリを買ってもらって勉強できた。手をしっかり洗ったり感染対策をしながら、部活や勉強を楽しみたい」と笑顔で教室に向かった。
伊舎堂用右教頭は「登校は再開したが、正直なところまだ心配。状況次第では時間差登校も検討している。予防を徹底しながら進めていくしかない」と話した。
同校の生徒は昨年4月から、感染防止を図るため学年ごとに使用する門を決めて登校している。休校期間中は生徒らに「生徒2人以上の活動」「同居者以外との会食」を控えるよう求めた。
市教育委員会は、児童生徒の感染はほとんどが家庭内が感染経路であることから、校内に外からのウイルスを持ち込ませないよう警戒している。
保護者らは毎朝児童・生徒の体調を確認し、学校に健康観察シートの記入をするなどの対応を取っている。
大本小学校(金城一石校長)は朝礼前、恒例の全校児童による掃除を久しぶりに行った。児童らは全員でたまった落ち葉などを掃除し、学友との再会を喜んでいた。
このあと全校集会がビデオ通話ツールZOOM(ズーム)を使って行われ、児童1人1人が授業再開後の目標を発表した。金城校長は「先生たちも皆さんに会えるのを心待ちにしていた。引き続き感染症対策をしながら勉強も遊びもがんばろう」と画面越しに呼び掛けた。
5年生の山名幹太君(10)は「休校期間中は勉強だけでなく、家近くの海岸を3週走ったりして運動もがんばった。学校の友だちとゲームで対戦して楽しかった」、6年生の佐々木あかりさん(11)は「家で理科や算数を頑張って勉強した。家の人と一緒にギョーザを作ったりしてお手伝いも頑張った」と振り返った。
同校は休校期間中、児童に学習課題を与え、自宅学習を行うよう指導したほか、オンライン環境が整わなかった昨年の反省を生かし、ビデオ通話で面談の機会を設けた。学習の成果を確認するとともに、心のケアにも気を配った。
同校ではこのほか、教職員の会議もオンラインで行っている。
5、6年担任の木本邦広教諭(52)は「ビデオ通話のおかげで、子どもたちの様子が分かった。コロナ禍は続くが、オンライン体制は去年より進歩した」と評価した。