初の「保守」対「保革共闘」 2氏、結束や多選批判課題 石垣市長選

 来年2月27日の石垣市長選は年越しを前に、4期目を目指す保守系現職、中山義隆氏(54)、革新系市議団などが支援する保守系市議の新人、砥板芳行氏(52)の2人が立候補を表明した。石垣市の選挙で初めて、保守と保革共闘体制が対決。年明けすぐ、前哨戦が激化する。砥板陣営の一部には砥板氏本人に対する根強い反発があり、最終的に結束できるかが課題。中山陣営は多選批判をかわしながら、保守層の引き締めを図れるか問われそうだ。

 過去の市長選では「保守対革新」の対決が続いてきた、前回2018年市長選は保守が分裂し、選挙戦最終盤に保革共闘の動きがあったが、実現せず中山氏の勝利で終わった。
 今選挙戦で野党は、前回市長選で動き始めた保革共闘の流れを継承し、紆余(うよ)曲折の末、砥板氏擁立で初の保革共闘を実現した。
 「硬派の保守」として知られながら、共産党を含む革新系野党の支援を受けることになった砥板氏。26日の記者会見では「長期政権がもたらす市民不在の独善的な市政運営」を指摘し、現市政に終止符を打つことを保革共闘の大義に掲げた。従来の政策を一部転換し「穏健保守」へのシフトも明確にした。
 だが砥板氏に対しては野党8人中、現時点で4人が支持を保留、または不支持の意向を示している。野党が元市議会議長の知念辰憲氏を擁立した際、8人全員が支持表明したのとは対照的だ。
 選挙戦で市議は実働部隊の役割を担う。4人を戦列に復帰させられるかは選挙戦の行方に影響を与えかねず、砥板氏や野党指導部の手腕が問われそうだ。
 中山氏は2010年市長選で、当時5期目を目指した大浜長照氏の長期政権を批判し、多選自粛条例の制定などを公約に初当選。だが同条例は結局制定せず、今選挙では自らが多選批判と向き合う立場になった。
 大浜氏の落選以来、保守層の中でも5選は事実上タブー視されている。支持者には、4期目が中山氏の集大成という前提で有権者の多選批判に向き合うべきとの意見がある。
 28日の記者会見で中山氏本人も4期目について「私を政治家・市長として、ここまで育てていただいた市民に恩返しできる4年間になる」と述べ、言外に最後の市長選になるとのニュアンスを込めた。
 公明党は10年市長選で、多選を理由に大浜氏を支持せず、中山氏支持に回った経緯がある。ただ大浜氏の4期目までは与党として支えた。中山氏は今後、公明党に改めて協力を求め、自公体制の構築を急ぐ。
 市長選には市議会中立会派の保守系市議、箕底用一氏(40)らも出馬に意欲を示しているが、現時点で具体的な動きはない。

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