悲鳴を上げる飲食店 時短要請に応じるが疑問も 八重山

閑散とする美崎町=15日夜

 昨年末には新型コロナウイルスの第5波が収まり、地域の飲食店に回復の兆しが出ていた。しかし、オミクロン株が登場して感染が県内外で収まらない。これに伴い、県のまん延防止等重点措置による時短要請が始まり、八重山の飲食店から悲鳴が上がっている。

 石垣市内の夫婦が営む定食屋では、感染が落ちついた12月ごろから客足が戻り、2人は「いい正月が迎えられそうだ」と安堵していた。
 しかし年明けに事態は急変。数カ月ぶりに市で感染者が発生して以降、客が来なくなった。9日からは時短要請が加わり、店主の男性は「どうすればいいのか」と頭を悩ませる。
 同店は感染症対策の認証店で、午後8時までであれば酒類を提供できるが、採算が取れないため提供を停止したという。
 店主は、店で酒に酔って大声で騒ぐことはリスクになると前置きしつつも「飲食店だけが感染源なのか。酒の提供にしても、静かに飲む程度なら問題ないのでは」と飲食店への締め付けを強める行政の姿勢に疑問を呈した。
 八重山の離島で営業する居酒屋でも、感染者増加にともない客が激減した。昼と夜の二部制で営業しているが、昼に来店した客は今年に入ってわずか1人だけ。
 時短要請にも応じており、女性店主は「今はお酒が出せるだけマシ」と話すが、4人の従業員の雇用に不安が残る。
 離島での営業というハンデを抱える同店は、従業員を全員3食付きの住み込みで雇用せざるを得ず、人件費がかさむ。給料は時給制のため、出勤時間を減らすなど人件費を節約せざるを得ない状況が続いているという。
 店主は「再び(緊急事態)宣言が出ると、いよいよ雇用ができなくなって休業するしかない」と頭を抱える。
 しばらくは給付金に頼らざるを得ないというが、「従業員にも将来があるから、辞めさせるわけにいかない。何とかやりくりしていく」と雇用を守る姿勢を貫く姿勢を見せた。
 飲食店が立ち並ぶ繁華街・美崎町は15日現在、閑散としていた。

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