竹富南航路整備が完了 安全性、利便性向上に

沖縄総合事務局と沖縄県が進めてきた竹富島南方海域の竹富南航路整備事業が昨年完了し、7月31日午前、ユーグレナ石垣港離島ターミナル隣接地で完成式典が行われた。式典では国や県などの関係者が参加し、テープカットとくす玉開披で完成を祝った。航路整備により、船舶の航行安全が確保され、海難事故の減少や大型船化への対応、航行時間の短縮に寄与。安定した物資・旅客供給が可能になる等、住民や旅客の利便性向上が期待されている。
石垣島と竹富町の各離島へは1日約200便の船舶が航行しており、定期旅客船や観光ツアーで利用するチャーター船や漁船等も航行。周辺海域は船舶の航行が非常に多い海域となっている。
拡張以前は船舶の航行ルート上に浅瀬が多く点在したため、船底接触等の海難事故や航行速度の制限などが発生していた。地元住民からの航行制限のない航路整備の要請もあり、2011年に政令改正による同航路の拡張、試験工事を開始した。
翌12年に国(沖縄総合事務局)が浅瀬の浚せつ工事を開始し、沖縄県が竹富南航路から小浜島、黒島に接続する航路の浚せつ工事を行った。延長は44・9㌔㍍、幅員は55~77㍍の航路に拡張。昨年21年までに工事が完了した。
拡張航路は石西礁湖に位置する開発保全航路にも指定されているため、周辺海域の環境に配慮し、サンゴの移植や海水の濁りの拡散を防止する濁水処理装置の導入など、環境保全にも配慮した。
工事を担った沖縄総合事務局の田中愛智朗局長は「船舶運航事業者や漁業関係者など、本事業にご理解と協力をいただいたことに感謝したい。今後は本航路を適切に管理し、船舶の安全な航行を支援していく」とあいさつ。
池田竹州副知事は「航路整備により、島々の広域的な連携等による社会、経済、環境が調和する島しょ圏の強化につながると考えている」と強調した。
竹富町の前泊正人町長は「延伸整備事業を無事に終えることができたことは本町の大きな喜び。各島からの通勤・通学等利便性の向上をはじめ、町民や観光客のニーズに応じた船舶運航の促進となるものと期待している」と感謝した。
西銘恒三郎沖縄北方担当大臣、中山義隆石垣市長などのあいさつもあり、石垣港湾事務所の港湾業務艇「せきせい」のお披露目もあった。

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