「第19回竹富町デンサ節大会」(主催・竹富町民俗芸能連合保存会)が3日夕、西表島上原の中野わいわいホールで開かれた。各島の小・中学校、公民館、役場の代表と一般公募で選ばれた計18人が、デンサ節の調べに合わせ、情緒豊かに朗々と歌い上げた。最優秀賞には一般の部で一般公募から、八重山高校3年生の平田みほしさん(18)=大浜=、子どもの部で大原中学校3年生の高松俊巴君(15)=西表古見=が輝いた。
西表島上原を発祥とするデンサ節は1769年に宮良里賢氏が作詞作曲した教訓歌。沖縄三大教訓歌の1つで県内外に広く親しまれ、歌い継がれている。
デンサ節の歌詞は3句で構成され、1句は共通の課題歌詞、2句は課題歌詞5句の中から選出、3句は自薦歌詞17句、もしくは自作歌詞で歌う。
最優秀賞を受賞した平田さんは「来年から島を出るので親への18年間の感謝を込めて歌い、まさか最優秀賞がとれるとはおもっていなかったので、とてとてもうれしい」と喜び「小学1年生から三線を続け、中学高校と郷土芸能を続けてきた。(進学先の)名古屋に行っても三線はやめずに弾き続けたい」と笑顔で話した。
中学3年生の高松君は3年前に優良賞で悔しい思いを経験。今回3番は自作の歌詞で挑んだ。歌詞は「何も知らない私が古見に来て、歌と三線を習い、古見の思いや歴史を受け継いだので心に刻んでいこう」という内容を作詞し、地域の親盛ヒロ子さんに島言葉にするのを手伝ってもらったという。
高松君は「今回初めて最優秀賞をとれてうれしかった。こらからも(古見の)祭りなどで伝統文化を引き継いでいきたい」と力強く語った。
冨里保雄会長は「先人たちの残された貴重な文化遺産を誇りとして、正しく保存継承し、後継者育成指導に努めることが役目。多くの人に愛唱されるよう、この大会がさらに発展することを祈念したい」とあいさつした。
前泊正人町長のビデオメッセージ、佐事安弘教育長の激励のあいさつもあった。
大会ではオープニングに上原小学校5年生児童によるデンサ節が披露され、審査中のアトラクションでは上原婦人部、西表青年会、上原青年会が大会に花を添えた。
最優秀賞以外の入賞者は次の皆さん。
【子どもの部】
▽最優秀賞=高松俊巴(大原中)▽優秀賞=須井清志郎(鳩間小)▽優良賞=吉本渉夢(小浜中)
【一般の部】
▽最優秀賞=平田みほし(一般)▽優秀賞=宮良あゆみ(一般)▽優良賞=真謝マリナ(干立)▽努力賞=山崎貴(鳩間)▽奨励賞=山田健太(一般)