石垣市は30日午前、尖閣諸島の魚釣島周辺海域で調査活動を行った。2022年に続き2回目。2年連続で実施し今回も東海大学の協力を受け、同島に1マイル(約1・6㌔)まで接近した。今回初めて、ドローンを使った空撮と調査を実施。計4回の飛行で同島南側の映像を撮影し記録した。約10隻の海上保安庁の巡視船が、石垣市の調査船を護衛したため、中国海警局の船は後方から追跡するだけだった。中山義隆市長は魚釣島を洋上から眺め「ヤギの調査、駆除が必要」と話した。今後、上陸調査を求めるかとの問いに「そうだ」と答えた。
今回の調査は海洋調査で、投下式計測器「XCTD」を水中に投下し水温や塩分、水深を測定した。29日午後7時と同8時、30日午前7時と正午、計4回実施した。3回目と4回目の調査は魚釣島南側で実施。
調査団には中山市長や市職員、東海大の山田吉彦教授が参加。仲嶺忠師氏、髙良宗矩氏、後上里厚司氏、長山家康氏、友寄永三氏、箕底用一氏、市議6人が正式に調査団の一員として同行した。
30日午前6時、調査船は尖閣諸島の領海に入った。午前3時頃から中国海警が「尖閣に近づいている」と無線で呼びかけていて、その都度、巡視船が「尖閣は日本の領土で、中国の主張は受け入れられない」と返答した。
巡視船は調査船の左右、南側を航行。計4隻が船団を組み、尖閣に向かった。2隻の海警局船が追尾したが、同数の巡視船が調査船に近づかないよう間に入った。
午前7時のXCTD投下後、更に魚釣島に接近。南側から時計回りに周辺海域を航行。ドローンを投入した。同島南側の上空を飛行させ、リアルタイムで調査船に送信される映像を確認。山田教授ら大学関係者が画面に映る魚釣島の地形や植生の変化を確認。生態系に影響を与えているヤギを探した。
調査船は10時頃までに魚釣島北側に到達。北側もドローンで調査する予定だったが、強風で予定時間を超過したため、中止した。
調査船は正午に調査活動を終了し石垣島に向けて南下を開始。午後8時頃に石垣港に着岸した。
石垣市は31日午前に記者会見し調査概要を報道陣に説明する。