駐屯地開設で市民説明会 参加者から歓迎と懸念の声 陸自

陸上自衛隊石垣駐屯地の開設に伴う市民説明会に参加した市民=22日夜、市民会館大ホール

 防衛省と石垣市は22日夜、陸上自衛隊石垣駐屯地開設に伴う市民説明会を市民会館大ホールで開いた。市民からは「主権や国民の生命を守るため、駐屯地の機能を強化してほしい」「(駐屯地は)脅威だ。専守防衛ではない」と、歓迎や懸念の声が出た。自衛隊配備に反対する市民団体は説明会をボイコットし、反対派が防衛省側に詰めるような場面はなく、説明会はおおむね円滑に進行した。

 説明会で発言を求めた八重山防衛協会の三木巌会長は「駐屯地は日本の安全保障、領土、領海、領空、国民の生命を守る。駐屯地が機能してもらわないといけない」と要望。駐屯地周辺の環境整備も要望した。
 別の参加者からは「基地があると攻撃されると皆さんが反対しているが、ウクライナではインフラ、住宅、病院、学校が攻撃されている。市民を守るために基地があってもいい」という意見が出た。
 駐屯地整備に伴うインフラ整備を問う声もあり、沖縄防衛局の担当者は「民生安定事業を活用し、市が実施する事業で支援できるものがあれば支援したい」と応じた。
 主催者側として防衛省側と同じテーブルについた中山義隆市長は、市内のごみ焼却施設や最終処分場整備で、防衛省の支援を受けた事業が進んでいると報告した。
 陸自配備に反対してきた駐屯地周辺住民の具志堅正さんは「長距離ミサイルの配備は決まっていないと言うが脅威だ。24時間、畑仕事をしていてもこのことが頭から離れない。小さな石垣島では、どこにも逃げようがない」と訴え、丁寧な説明を求めた。
 中山市長は「戦闘状態に入った時に住民を避難させるのは危険だ。有事が起こりそうになった時、いち早く島民を島外に逃がす」と強調。沖縄防衛局の担当者は「住民説明会は7回にわたって実施してきた」と理解を求めた。
 参加した別の男性は「相手の基地まで飛ぶようなミサイルを配備するなら、自衛隊に賛成する人も反対する人も容認できない」と反撃能力を持つミサイル配備に反対した。
 ほかに駐屯地からの排水計画や、施設や装備の具体的な内容に関する質問があった。
 石垣駐屯地は16日に開設された。説明会は中山市長から防衛省側への要請で開催が決まった。

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