尖閣侵奪の動き「強く懸念」 海警局船、徐々に勢力増す 防衛白書

尖閣諸島周辺で領海侵入した「海警2502」(奥)と、漁船への接近を阻止しようとする海保の巡視船=2022年(仲間均氏提供)

 2023年版防衛白書では、石垣市の尖閣諸島侵奪に向け、周辺海域に海警局船の派遣を続ける中国の動向について「力による一方的な現状変更の試みを執拗に継続しており、強く懸念される」と指摘した。

 白書では尖閣諸島を巡る中国の動きを詳述。尖閣周辺海域での中国海警局船などの活動を10年前と比較すると、領海侵入日数は22年が37日で12年の約1・6倍、侵入した延べ隻数は22年が103隻で12年の約1・4倍に増加した。
 尖閣周辺の接続水域での海警局船の確認日数は、年間の確認日数が20年から300日を超え、延べ隻数は19年から千隻を上回っている。22年は336日で延べ1201隻となった。
 中国が尖閣諸島の侵奪に向けた動きを長年に渡って継続するとともに、徐々に勢力を増している実態がうかがえる。
 中国海警局に所属する船舶は年々増強されており、22年時点で千㌧以上の船舶は157隻に達した。日本の海上保安庁が保有する千㌧以上の巡視船は71隻で、中国側の勢力が大きく上回っている。
 白書では、中国が台湾周辺での軍事演習や台湾周辺空域への軍用機進入などの動きを強めていることにも言及。「一連の活動を通じ、中国軍が常態的に活動している状況の既成事実化を図るとともに、実戦能力の向上を企図している」と分析した。
 中国が22年8月、台湾周辺で実施した軍事演習で、波照間島や与那国島周辺への着弾を含む9発の弾道ミサイル発射を行ったことについて「地域住民に脅威と受け止められた」と強調した。
 中国が台湾正面に多数配置している短距離弾道ミサイルについて、尖閣諸島を含む南西諸島の一部も「射程に入っているとみられる」と警戒感を示した。

関連記事

八重山日報公式 X(Twitter)

ユーグレナ シルバー人材センター たびらいレンタカー ecovillage アイン薬局 ひとし眼科 嶺井第一病院 とみやま耳鼻咽喉科 ヒデ整形クリニック
ページ上部へ戻る