「恵みの雨」もダム回復7割 節水協力呼び掛け継続 八重山

依然、例年の積水量より少ない底原ダム=7日午後、宮良

 干ばつ状態にあった石垣島地方は、台風6号の接近に伴う降雨で、各地で200㍉前後を記録したが、農業用水を供給する底原ダムの積水量は70%ほどまでしか回復していないことが、8日分かった。今後も当面は晴れの日が多くなる見込みで、引き続き節水努力が求められることになりそうだ。

 県八重山農林水産復興センターによると台風以前、底原ダムの積水量は65%まで低下していた。
 石垣島地方気象台の観測では、台風6号の接近に伴う7月31日午前零時から8月8日午前9時までの総雨量は、ダムに近い新石垣空港で269㍉。積水量が回復したものの、担当者は「平年より少ない状況が続いている」と、不安を残したままだ。
 他の地点で6号による雨は、伊原間290・5㍉、川平283㍉、登野城200㍉。
 底原ダムの積水量は1万3000立方㍍と石垣島最大だが、50%を下回ると放水した際に藻が混ざり使用できない可能性がある。
 8日午後5時発表の八重山地方の週間天気予報では、15日まで雨マークはない。気象庁が3日発表した八重山地方の9月4日までを対象とした1か月予報では、「平年並み」または「多い」確率は40%。「少ない」の20%を上回っているが、天候は「晴れの日が多い」とされ、予断を許さない状況が続きそうだ。
 市農政課は「また雨が降らない状況が続く可能性もあるので、引き続き節水など注意喚起していく」と、農家には台風による雨で油断しないよう、呼び掛けている。
 JAと石垣島製糖は、市内の水を必要としている農家に散水車を出動させていたが、台風の降水により農家からの依頼はなくなったという。
 石垣島製糖の担当者は「今後再び干ばつになる可能性はあるが、台風で畑の作物に関して危機は一旦脱した」と胸をなで下ろしながらも、空模様から目が離せない日が続く。

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