住民の墓参りを支援 ホワイトビーチで米軍と海自

ホワイトビーチ内にある住民の墓を前に、ジャングルアタックの取り組みを報道陣に説明する西新屋館長=9日午後、うるま市

 在沖米海軍は9日、ホワイトビーチ(うるま市)の一部を報道陣に公開した。地元・平敷屋公民館の西新屋光男館長(平敷屋区長)は、地域住民がホワイトビーチ内で墓参りする際、米海軍と海上自衛隊が周辺の雑木を伐採して支援するボランティア活動をしていると紹介。基地と住民の相互理解が重要との考えを示した。
 西新屋館長によると、ホワイトビーチは戦前まで農地で、地域住民の墓が155カ所ある。米軍が一帯を占領し、ホワイトビーチを建設したあとも住民は自由に墓参りしていたが、2001年の米国同時多発テロを機に基地への立ち入りが制限され、現在では立ち入りの2週間前までに基地内に入る住民の氏名を申請しなくてはならなくなった。先祖を供養する「清明祭(シーミー)」の際には1日で2千人が基地内に入ることがあるという。申請は市役所が行うが、一部、公民館が代行している。
 2008年、地域住民から公民館に「墓の周辺がジャングル化している」と相談があった。西新屋館長は「米軍とギスギスした関係になるよりは交流できないか」と考え、米海軍の司令官に対策を要請したところ、米側はボランティアを募集。ホワイトビーチを共同使用する海自の有志と共に、米兵が2カ月に1回、ローテーションで墓の周囲を清掃する「ジャングルアタック」と呼ばれる取り組みが始まった。
 以前は米兵が「戦利品」と称して墓を荒らす行為もあったが、ジャングルアタックが始まり、住民が米側に「ここは神聖な場所だ」と伝えると、墓に手を合わせる米兵の姿も見られるようになったという。
 西新屋館長は「お互いに分かり合わないと行き違いもある」と強調。米軍との相互理解を促進するよう努力し、現在では米兵による地域の清掃や、住民の子どもとの交流などのボランティアが活発化していると報告した。
 海自はこの日、ホワイトビーチで掃海艇「ししじま」を報道陣に公開した。米海軍の幹部は「日米のチームワークがこの地域の平和と安定を維持している。共同使用はいいことだと認識している」と話した。

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