県が制定している11月16日「いもの日」にちなみ、石垣市甘しょ産地協議会は15日午後、市役所市民広場で、島産の沖夢紫(生イモ)600袋、紅芋のお菓子100セット、請福酒造有限会社(漢那憲隆代表)の甘しょと黒糖で作られたスピリッツ「IMUGE(イムゲ)」660個を無料配布し、消費拡大や地産地消をPRした。
広場には、配布開始前から市役所を訪れた市民や職員が列をつくり、午後1時半から開始30分ほどで沖夢紫を配り終えた。
配布された3種全てを手に入れた室瀬孝子さん(40)は、もうすぐ1歳になる次男・陽向君と会場を訪れた。陽向君はイモが好きだといい「子どもが小さいので、砕いて離乳食として食べさせたい」と喜んだ。
芋の天ぷらが好きだという嘉手川流碧君(5)は「配布が終わっていた」と残念そうだったが、母から芋のたい焼きを買ってもらっていた。ゲットしたIMUGEは「お父さんへのおみやげ」と笑顔を見せた。
市農林水産商工部農政経済課の松川英樹課長は石垣島産の甘しょについて「風味が甘くて、加工にも向いている。焼き具合によって、糖蜜の良い紅芋ができる」とPRした。
石垣市の甘しょの収穫量は2020年の時点で300㌧余りだったが、コロナ禍で観光需要が減り、年60㌧まで低下した。
市農林水産商工部農政経済課の米城茂朋主事補は「コロナ明けで観光需要が戻り、甘しょの増産も期待できる。産地として盛り上げていければ」と話した。
16日は、市役所2階の大会議室で「いもの日」講演会が行われ、九州沖縄農業研究センターの岡田吉弘氏は、九州を中心に猛威を奮っている甘しょの病害「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」の防除対策について講和。麻布大学教授で、有害鳥獣対策の第一人者の江口祐輔氏も講師として招かれる。講演会は市内や県内の生産者向けに行われる。
石垣島内では現在、基腐病の被害は確認されていないが、沖縄本島などでは被害が出ている。松川課長は「島外からの苗の搬入には十分注意してほしい」と促した。