在日米海軍第7艦隊所属のミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(排水量9500㌧、全長155・3㍍、乗員約300人)が石垣港沖合に停泊する計画をめぐり、石垣市は9日、乗員の南ぬ浜地区新港クルーズバースへの上陸を正式に許可した。
中山義隆市長は、安全面や申請手続きも全て確認が取れ「法的にもクリアし、止める理由はない」とし、懸念されていた上陸の方法についても「確認し、安全を確保できた」と述べた。
港湾利用計画は、日米地位協定に基づき通告。石垣島と竹富島の間にある「検疫錨地」に米艦船を停泊させ、船員は代理店を通してテンダーボート(支援艇)で、南ぬ浜地区新港クルーズバースに接岸、上陸する。
9日午後、石垣港クルーズバースでは、乗員の上陸に先立ち、米軍関係者が委託業者に対し、クルーズバースの駐車場にバリケード設営を指示。上陸予定日の前日10日は、クルーズ船「Azamara Journey(アザマラジャーニー)」(全長180・45㍍、定員866人)が寄港するため、バリケード設営は、離岸後の午後6時以降と見られる。
昨年9月、第7艦隊所属の掃海艦「パイオニア」が石垣に入港した際にも、混乱を防ぐためクルーズバースの駐車場を囲むように高さ2㍍ほどのフェンスが設置された。
一方、全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部は、米艦船が石垣港湾区域に進入した場合、石垣港と沖縄本島の港湾で抗議する全面ストライキに突入すると通告している。
中山市長は8日、取材に対し、全港湾のスト通告について「スト権は尊重されるべきだが、住民生活に多大な影響が出る可能性があることにも配慮してほしい」と懸念した。物流に影響が出た場合に備え、市としての対策を検討する考えも示した。