台湾付近を震源地とした地震で津波警報が出たことを受け、石垣市によると、市内で避難所に指定された小中学校、公民館などには延べ5155人が避難した。石垣港からは、津波を避けるため漁船などが続々と出港し沖合に停泊した。
市内の道路では、バンナ方面に向かう車両が列をなした。特に市民会館からバンナ方面の桃林寺西通り線では、石垣島に津波が到達した午前9時52分になってもJAおきなわ八重山支店前の交差点まで車両が停滞した。
バンナ公園付近では、高台を目指し避難した住民らが殺到し混雑。車列がバンナ公園入り口から市街地まで続いた影響で、市内の道路登り線で渋滞が発生したと見られる。
避難所に指定されている石垣小学校には、地域住民など407人が集まった。石垣字会の役員や婦人会が、同校の教職員と協力し誘導。字会役員らは周辺住宅を回り、自力で避難が難しい高齢者などに避難も呼び掛けた。
字会の崎枝純夫会長は「平日で、役員全員は集まれなかったが、先生たちと協力して円滑に避難誘導できた」と話し、今回の反省点を踏まえてさらに防災対策を進める考えを示した。
登野城小学校で避難を誘導した教職員は「誘導しているが遠慮して入ってこない人も多い」と明かす。外国人観光客も避難してきたが、言葉が分からず困っている様子も見られた。
普段から車椅子を利用する市内在住の70代男性は、自宅が5階にあるため避難はしなかった。「津波が来たら最悪、屋上に上がろうと思っていた。ヘルパーの人も連絡をくれて安心した」と安堵した様子だった。
オーストラリアから観光で訪れた60代男性は、川平から市内に向かうバスの中で津波警報の通知を受けた。バスはバンナ公園付近で待機したという。「一斉に乗客の携帯が鳴り、パニックになった。外国人の客も多く、状況が分からなくて心配だった」と振り返った。
市内のコンビニやスーパーの中には臨時休業したところもあったが、津波警報解除後、徐々に営業を再開した。