尖閣ヤギの撮影に成功 北側斜面に群れ、生態系危ぐ

岩場の斜面で確認されたヤギ=26日午前9時38分、魚釣島北側(松村超撮影、500㍉望遠レンズAPS―Cクロップで約750㍉相当で撮影)

 26日に行われた尖閣諸島(石垣市)の海洋調査に同行した本紙記者が同日9時38分ごろ、魚釣島北側の斜面にいる野生化したヤギの撮影に成功した。ヤギは群れで行動しているとみられ、東海大学の山田吉彦教授は「ヤギで間違いない。これだけ群れているのが確認できた。やはり生態系が大きく崩れている可能性があり、いち早く生存状況を確認しなければならない」と上陸の必要性を強調した。現在、尖閣諸島周辺にメディアが近づく機会はほとんどなく、魚釣島のヤギが撮影されるのは非常にまれ。

 ヤギの生息が確認できたのは魚釣島北側の灯台より西側の斜面で岩の上でくつろぐ3頭の右に1頭、左に2頭の計6頭で活動している様子が見て取れる。
 この写真のほかにも崖を下りるヤギや、別の岩に座るヤギなど複数地点でヤギの生態が確認できた。
 調査では夜間に赤外線センサーを搭載したドローンで野生化したヤギの調査を行い、生物反応は確認できたがヤギかどうかの特定はできなかった。日中には4Kによる空撮でも複数回、魚釣島北側を撮影し、下船時点ではヤギの存在は確認できていなかった。
 山田教授は「なかなかドローンの撮影でも確認できず、赤外線センサーに反応はあっても実態が見えなかったところでこの写真の意義は大きい。上からも横からもあるいはいろんな角度から調査しないと実態が見えてこないことがこの写真が証明している」と指摘。
 ヤギの状態をみて「くつろいでいて痩せていないため、まだ複数頭いる可能性があり、実際に目線を合わせた上陸調査が重要だ」とさらなるヤギの実態調査が必要との認識を示した。
 山田教授は29日、本紙提供の写真により、現場やその周辺を確認したところ、東海大が撮影した映像にも生息するヤギが確認できたという。
 海洋調査は25日から3日間、市がチャーターした船で行われ、中山義隆市長、山田教授らが乗船。洋上から魚釣島の現状などを確認した。八重山日報の記者は25日に出航した際に同乗。調査船はいったん石垣島に戻り、26日に際は国会議員団らを乗せて再び出航した。

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