「特定利用」早期指定を 賛成多数で意見書可決 港湾整備、空港強化に期待 与那国町議会

特定利用空港・港湾指定に関する意見書を採決する町議=14日、与那国町議会

 与那国町議会(崎元俊男議長)6月定例会は14日の最終本会議で野党の嵩西茂則氏が特定利用空港・港湾の早期指定を求める意見書を提出。賛成多数で可決した。宛て先は防衛相、国交相、沖縄担当相、県知事、県議会議長。新港湾の設置、与那国空港の機能強化を求める。嵩西氏は議会後「議員団を結成し要請行動を起こす」と述べた。

 要請書では、糸数健一町長が就任以来、国や自民党関係者に与那国町の振興開発を要請してきたと強調。新港湾の設置は、島民の生活・産業基盤の整備、地域活性化に貢献し、有事や災害時の住民避難には欠かせないと主張した。
 嵩西氏は「町の経済拡大やクルーズ船の入港による観光産業の拡大など、立地的にも費用対効果が得られる新港湾と与那国空港の機能拡充を図るべき」と提言した。
 反対討論した田里千代基氏は①住民説明を尽くし対話する民主主義の根本が無視される②科学的な検証がない巨大な公共工事となる③有事には攻撃され住民の生命・財産を脅かす軍事施設となる―と指摘。
 「町民への適切な説明と同意がない中、町長が政権与党に要請した。民主主義と相容れない。港湾整備は環境への影響が大きい工事が必要」と指摘し、意見書に反対した。
 賛成討論した野党の上地常夫氏は「あらゆる有事を想定すべき。台湾に最も近い与那国は国民保護の観点から全島民の島外避難が必要。港湾は有事や災害時の防災拠点として重要な施設」と訴え、空港拡張や久部良漁港も含めた整備が必要とした。
 与党の與那覇英作氏も中国による尖閣諸島、台湾への武力攻撃を想定して賛意を示し「国は戦争を望まない。反対・賛成問わず住民を守る」と述べた。
 採決の結果は賛成5、反対2、退席1、欠席1となった。田里氏と杉本英貴氏が反対に回った。

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