石垣市は、尖閣諸島が市の行政区域であることをアピールする掲示板を10月1日から新石垣空港に設置する。島外の人も含め、尖閣諸島の存在を広く知ってもらう。今年4月に設置された市尖閣諸島対策室は今後、尖閣諸島の方角を示す案内表示板も島内の観光名所に設置する。来年1月14日の「尖閣諸島開拓の日」は、日本が尖閣諸島を領土に編入して130年の節目となることから、例年より規模を拡大した式典を計画している。
尖閣諸島をアピールする掲示板はタテ2㍍、ヨコ1㍍で、石垣空港ターミナル株式会社が設定している広告枠を利用し、空港の搭乗口に向かうコンコース2カ所に設置する。
掲示板の製作費12万円、半年間の広告料約30万円はふるさと納税の「まちづくり支援寄付金」から捻出した。同寄付金には今年4月から8月までに約4億9千万円が寄せられ、このうち尖閣諸島に関する情報発信・資料収集に目的を特定して寄付できる枠には約3800万円が集まっている。
同寄付金の返礼品として、昨年8月から提供が始まった「尖閣アカマチ」を希望している寄付は15件で、寄付金は51万円。内訳は3万円コース12件、5万円コース3件、10万円コースゼロで、アカマチ約18㌔分に相当する。対策室によると、ある程度まとまった寄付金が集まった時点で八重山漁協に依頼し、尖閣諸島周辺に出漁してもらう。
尖閣諸島の方角を示す案内表示板は玉取崎展望台、川平湾、平久保灯台、ユーグレナ石垣港離島ターミナル、730交差点、市役所の6カ所に設置予定で、年度内の設置に向け製作を進めている。
毎年1月14日の「尖閣諸島開拓の日」式典は石垣市民会館中ホールが会場だが、来年は節目の年を記念し、会場を大ホールに変更。二部構成で、映像の上映なども交えながら尖閣諸島の現状を発信する。各政党代表にも出席を要請する。基調講演なども予定しており、詳細は「調整中」としている。
対策室の担当者は、一連の取り組みについて「尖閣諸島について知らなかった人も興味を持ってもらえれば」と話した。