西表石垣国立公園が国内初の星空保護区に認定されたことを記念し、星空の大切さを考える日とされる「アースナイトデー2019」のイベントが23日午後、石垣港離島ターミナル内のいしがき島星ノ海プラネタリウムで開催され、星空保護の専門家が講演。街灯などの光で星空が見えなくなる「光害(ひかりがい)」の問題を訴え、星空保護区の周知を図った。
講演会では、星空ツーリズム株式会社の上野貴弘氏が光害について解説。人間が街灯を灯し始めてから130年が経過し「今では夜になると日本列島がくっきり浮かび上がるほど明るさが際立っている」と指摘した。
星空を見たくても見れない環境になってしまったとして「日本では人口の7割が天の川を見ることができない」という研究結果があることも紹介。「CO2の排出や月明りなどを目標として移動する渡り鳥や、ウミガメの子どもなどの生態系への影響もある」と懸念した。
海外の星空保護区の先進地では、光害の対策が施された街灯も普及しているという。「光は必要な場所に必要なだけの光で照らす、必要な照明は一つも消す必要はない」と述べた。
環境省石垣自然保護官事務所の藤田和也氏は「石垣島で国立公園に指定されているのは住宅や観光施設などが少ないところ。星空保護区は島全体で取り組んでいくことが重要」と話した。環境省が取り組んでいる星空観察についても紹介した。
光害の啓発ムービー上映後は星空解説も行われた。