5~6日に石垣市の尖閣諸島周辺で操業し、中国海警局の艦船に追尾された八重山漁協所属の漁船「鶴丸」に乗船していた石垣市議の仲間均氏らが6日、石垣港で八重山日報の取材に応じた。中国艦船は5日夜、漁船のすぐ近くまで接近したというが、海保の巡視船に阻止され、乗組員は無事だった。
仲間氏は「日本人の漁業活動が公然と妨害されている。中国は間違いなく尖閣を取りに来ていると感じた」と話した。
「鶴丸」には仲間氏、竹富町の山下義雄町議ら3人が乗船。5日午前5時ごろ出港し、10時ごろには尖閣周辺海域に到着した。中国艦船2隻が待ち構えており、すぐに「鶴丸」の追尾を開始したという。2隻は、領海侵入した「海警2301」「海警2303」で、いずれも機関砲で武装している。
中国艦船が夜、鶴丸に最も接近した際は、双眼鏡で中国側の乗組員の人影が確認できるほどの近さだったという。仲間氏は「甲板に3人いるのが確認できた。昼に近づくと姿を撮影されるので、夜を選んで近づいてきたのだろう」と話した。中国艦船からは、接近以外の危険行為はなかった。
仲間氏が「鶴丸」で尖閣周辺へ出漁するのは昨年10月以来、半年ぶり。「鶴丸」は6日午前10時過ぎ、操業を終え石垣島に向かったが、中国艦船は尖閣諸島と石垣島の中間線付近まで「鶴丸」の追尾を続けた。
山下氏は「中国船はしつこく追い続けてきた。相変わらず尖閣周辺の状況は厳しい。中国船が島のそばまで入り込んできて、海保も大変だと思う」と話した。
強いしけのため漁獲高は少なく、夜もほぼ休めなかったといい、政府に「係留ブイを早く設置してほしい」と要望した。
石垣市議会は3月定例会で尖閣周辺海域に係留ブイを設置するよう求める意見書を可決しており、市議団は上京して15日、政府に直訴する方向で調整している。