任期満了に伴う豊見城市長選が14日に投開票され、無所属新人で前市議の山川仁氏(44)=社民、社大、共産、自由、立民、国民民主推薦=が1万1274票を獲得、無所属新人で前市議の宜保安孝氏(41)=自民、維新、希望推薦=、無所属現職の宜保晴毅氏(50)を破り、初当選を果たした。約20年の保守市政に終止符を打ち、革新リベラル勢力に支えられる市政に転換する。玉城デニー知事の支持派が市部で勢力を拡大することになり、県政運営の追い風になりそうだ。
選挙戦で山川氏は、給食費・医療費の無料化、国保税の負担軽減、習い事の助成事業などの施策を訴えた。経済振興策や再開発事業の必要性も掲げ、支持を集めた。
米軍基地問題では玉城知事と同じく普天間飛行場の辺野古移設反対を訴え、知事選の流れで支持を引き寄せた。玉城知事のほか革新リベラル政党の支援を受け、革新支持層に手堅く浸透した。
保守側は宜保晴毅氏が3選を目指したが、自民、維新は宜保安孝氏の支持に回り、分裂選挙に突入。保守側は支持層をまとめられず、山川氏が漁夫の利を得た形になった。投票率は53.28%で、前回2014年市長選に比べ0.18ポイント減。
玉城知事誕生後、初の首長選挙として注目されたが、山川氏の当選で、翁長前県政の路線を受け継ぐ玉城県政を支える市は11市中、那覇市、南城市、豊見城市の3市に増えた。