台湾有事を見据えた政府の住民避難計画で、与那国町民約1700人の避難先となっている佐賀県の山口祥義知事が7日午後、与那国島を訪れ、町役場で糸数健一町長と面談した。山口氏は「国民保護に関わる避難計画だけでなく、今後両者の関係を深めたい」と期待し、糸数氏は「避難しなくて良かったというのがベストだが、万一に備えて準備しなくてはならない」と山口知事の来島に感謝した。
糸数町長は昨年9月に佐賀県を訪問し、初めて山口氏と面会。山口氏も与那国訪問に意欲を示していた。佐賀県側の提案で、年度初めである4月上旬の知事来島が実現した。
山口知事は「現地を訪れるのはとても大事。町民とふだんから良い仲間のような付き合いをさせてほしい」と与那国町との交流に意欲を見せた。
山口氏と糸数氏は8日午前にも会う予定。両氏に加え、与那国町議会や商工会、社協、漁協の関係者も参加し、住民避難だけでなく、交流促進を念頭に約1時間議論する予定。
国は相手国による我が国への武力攻撃が予測される段階で、国民保護法に基づく迅速な住民避難を行う。
与那国町は島外避難計画をまとめており、1日で計11便の民航機を使い、町民を福岡空港に移動させる。
佐賀県も受け入れ計画を立案。避難した与那国町民は福岡空港から貸し切りバスで佐賀県内に移動。避難先は佐賀市と鳥栖市内のホテルだが、利用できない場合の代替案もある。
与那国側は既に島外への避難計画を佐賀側に説明している。
今後、沖縄県による検討も踏まえ、計画の詳細を決定する。