町長選、8月24日投開票 与那国、3氏出馬意欲

 与那国町の選挙管理委員会が2日に開かれ、任期満了に伴い行われる与那国町長選挙の選挙期日を8月24日と決めた。
 町長選を巡っては、現職の糸数健一氏(71)=祖納=、保守系町議の上地常夫氏(60)=久部良=、革新系町議の田里千代基氏(67)=祖納=が立候補の意向を示している。
 最大の争点は現町政の評価。日本最西端の与那国町は台湾に近く町民には「台湾有事」に対する不安が根強い。日本の安全保障にとっても要衝になっている。糸数氏は政府に積極的に協力し、有事対応を進める姿勢を示しているが、革新支持層を中心に防衛強化に対する批判の声もある。
 町が抱える問題は特別養護老人ホームの閉鎖や第1次産業の振興策、台湾有事に伴う住民避難、シェルター整備計画、歯科医院の誘致など多岐に及ぶ。
 糸数氏は同町の南側に位置する比川地区に港湾整備を計画。「過去に政府から示された」として、クルーズ船の入港などを見据えた振興策として、国に要請を続けてきた。
 一方、計画では自然豊かな樽舞湿原を大規模に開発するため、町民の一部が反対。与那国駐屯地にも近く、仮に港湾が完成した場合、自衛隊が使用することで「軍港になる」と非難する声もある。
 今年に入り、与那国町診療所に医師を派遣してきた公益社団法人・地域医療振興協会(東京)が来年4月以降撤退する意向を示したことで、医師不在の懸念も論点に浮上した。
 町内では薬局も既に事業者が代わり、オンラインによる対応に変化。直接薬剤師から指導を受けられず、薬も最短で数日後に受け取る仕組みに変化している。
 台湾有事だけでなく、台風や地震などの災害で被災した場合、中長期で物流が止まる懸念もある。
 平時の社会福祉政策も含め多くの課題が山積している。

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