町内物資輸送体制を確保しようと、竹富町が新年度に無人飛行機(ドローン)を活用した実証実験を計画している。西表島上原―鳩間島間で物資輸送をするもので、19年度から2年間の計画。船便の欠航率が高いという〝離島苦〟を解消するための実験となる。
ドローンの実証実験は竹富町議会一般質問で上盛政秀氏が取り上げ、事業内容などを確認。
政策推進課の通事太一郎課長は「(欠航は)離島に対する物資の供給、災害対応にも影響を及ぼす。売店がない地区もあるので、他の離島より生活格差がある」と実証実験導入の経緯を説明した。
実証実験は西表上原―鳩間島間で2年間実施される。ドローンを扱う事業者は、竹富町の求める能力を有した機体を提供する。実験では距離や重さ、輸送範囲などを代えて成果を出す。将来的には同事業が独立して運営できる事業体制を目指す。
通事課長は今後の可能性について、「石垣―大原間は可能だと思う。ドローンの実証のなかで成果を出して、離島苦解消のため活用していきたい」と展望を述べた。
同町は同事業の委託料として、新年度予算に2220万円を計上した。
近年、自治体のドローン活用が進んでいる。石垣市消防本部は2018年5月、2事業者と災害時支援などに関してドローン活用の協定書を結んでいる。