県が「21世紀ビジョン」(沖縄振興計画)で示した施策の検証と今後の改善方針などを報告する県振興推進委員会(委員長・玉城デニー知事)が21日、県庁で開かれた。報告によると、2018年度の計画値を達成した施策は46.3%、このうち離島に関する施策で計画値を達成したのは30.2%にとどまった。
現振興計画の計画期間は残り2年半となっており、玉城知事は「沖縄振興をより確かなものとし、一層加速させていくためにも、各取り組みをしっかり推進してほしい」と指示した。
県は計画の成果について512の指標を設定。18年度の実績を計画策定時の「基準値」と比較し、達成率が100%以上の「前進」のほか「横ばい」「後退」、計画値設定が困難であることなどの理由で比較できない「その他」で判定した。
18年度実績で「前進」とされたのは82.1%、このうち離島に関する施策は76.7%で、前年度とほぼ同様の数値を示した。
「前進」と判定されたのは完全失業率の改善、放課後児童クラブ登録児童数、離島の超高速ブロードバンドサービス事業整備率など。「後退」は30代男性の朝食欠食率、離島のサトウキビ生産量などだった。
施策の進ちょく状況では、救命医療と離島・へき地医療の充実、困窮世帯の割合減少などが「順調」とされた。離島空港の整備と機能向上では、新石垣空港の年間旅客数が順調に伸びているが、国際線旅客ターミナルなどの進ちょく状況がやや遅れていると指摘された。
沖縄国際情報通信ネットワークの利用通信容量数は「大幅遅れ」とされた。
主な施策の検証では、離島住民の航空運賃の負担を軽減する「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」について、事業を安定的に継続できる環境を確保しながら、各航空路の課題や公平性などを考慮し、適用対象の拡大や割引率拡充を検討する必要があるとした。