大規模地震による津波災害の発生を想定し、防災関係機関や地域住民らが参加する津波避難訓練を実施する「2019年度石垣市市民防災訓練」(主催・石垣市)が1日午前、大浜中学校をメイン会場に石垣島全域で実施された。24の自治公民館、自主防災会、一般市民、自衛隊、県の機関、竹富町、与那国町、消防団など総勢2200人(市発表)が参加した。
午前10時、石垣島南方沖で震度6弱の地震が発生したと想定。緊急地震速報が出され、3分後には大津波警報が発令された。
市は防災無線、FMラジオ、防災情報一斉メールなどで情報発信、注意喚起、避難誘導を行い、住民らは一時避難場所への経路と所要時間などを確認した。
大浜中学校では生徒386人、同校職員30人、一般市民255人の計671人が避難し、同校3年生は避難してくる高齢者や幼児などの校舎最上階への避難を手助けした。
避難後、参加者らは▽防災展示▽模擬避難所体験▽消火栓操法訓練▽炊き出し訓練―などの各コーナーで防災訓練を体験。災害時における学校と地域との連携を強めた。
同校体育館であった訓練終了式では訓練結果が報告。大浜までの津波到達予想時間の7分以内に避難できた一般市民は255人中79人(約31%)との結果を受け、大浜自主防災会の東盛宗治副会長は「多くの人が津波に呑まれている」と危惧し、「訓練を生かし、自分の命は自分で守れるように」と激励した。
生徒を代表して大浜中3年の知念和花生徒会保体委員長は「実際に災害が来たときに対処できるようにしたい」と話し、石垣安志教育長は「自助努力は常日頃の訓練から。今日培ったものを体得し、災害に備えて」と講評した。
この日、自衛隊は宮良小学校で風呂の提供や炊き出し配給、第十一管区海上保安本部の石垣航空基地はヘリ上空からの避難誘導広報を行なった。