石垣市議会の市職員不祥事に関する調査特別委員会(箕底用一委員長)は25日、市役所で初会合を開き、今年、市役所で続発した不祥事のうち、公金横領と個人情報の悪用に絞り、再発防止策を検討する方針を確認した。市当局に対し、職員対象のアンケート調査を依頼することも決めた。箕底委員長は、来年の3月議会で中間報告を行うスケジュールで調査を進めたい意向を示した。
調査内容として、事件の概要、手口、被害額、不祥事を起こした職員の勤務態度、事件発生の要因、再発防止策の取り組み―などを挙げた。
今後、市当局から資料提供を受け、それぞれの不祥事の概要を把握した上で、職員対象のアンケート調査の内容を検討する。
公金の収入・支出の事務処理や、個人情報を含む機密情報の取り扱いで問題に感じていることなど、現場の生の声を再発防止策に生かしたい考え。
ただ、与党の委員からは「手口や経過を私たちが追及する必要があるのか。(不祥事を起こした職員の)家族の痛みも考えてほしい」と疑問視する声も出た。箕底委員長は「(不祥事を起こした職員を)擁護する必要は一切ない」と反論した。
野党の委員は、公金横領について、市が被害額を確定させた根拠や、職員の処分の根拠に関し「腑に落ちない」と指摘した。
市役所では今年、給食費、駐車場料金、義援金などの横領事件が3件発生し、被害総額は約900万円に上った。業務上入手した個人情報を悪用した盗撮事件など、職員の逮捕も2件あった。
市議会は12月定例会で不祥事に関する調査特別委員会の設置を賛成多数で議決。特別委の正式名称は「石垣市職員不祥事における倫理規範および服務に関する調査特別委員会」。
中山義隆市長ら市3役は不祥事の責任を取り、来年1月から3カ月間、給与の1割をカットすることを決めている。