9月末に石垣市、竹富町で発生した大規模通信障害を受け、県の宮城力企画部長らが20日、石垣市役所と竹富町役場を訪れ、中山義隆市長、西大舛高旬町長らに謝罪。再発防止策を説明した。通信障害から2カ月以上経過しているが、市議会12月定例会で県の責任を指摘する意見書が可決されたため、急きょ、宮城企画部長が来島した。
県などによると、9月28日午前10時16分ごろ、県道与那国島線で、県の委託業者が除草作業中、NTTの中継ケーブルを誤って切断した。事故はNTTから県に報告されたが、県から市町に対する連絡はなかった。
切断された中継ケーブルは、沖縄本島から多良間島、与那国島、波照間島、西表島を経由して石垣島に入るルート。これとは別に沖縄本島から宮古島を経由して石垣島に入るルートもあったが、台風18号の影響で9月30日午後9時45分ごろ、石垣島内の中継ケーブルが損傷した。2系統のルートが同時に使用不能になったことが約11時間の大規模通信障害を招いた。
宮城企画部長らは中山市長、平良秀之議長、西大舛町長に面会。通信障害について「申し訳なかった」と述べた。
再発防止策としては①県所有の中継ケーブルを厚さ4・5㍉の鉄板で覆う工事を速やかに実施する②道路工事や保守作業に関し、現地に通信ケーブル埋設の通知板を設置するなど、情報共有のあり方を協議中―とした。
いずれかのルートで中継ケーブルが切断された際は、速やかに関係市町村や防災機関へ情報提供を行う方針も示した。
宮城企画部長は市への説明後、取材に対し「市議会で意見書が可決されたと聞き、急いで駆けつけた。今後は速やかに連絡を取り、何かあった場合の対応をどうすべきか検証を進めたい」と述べた。
県の説明に対し、中山市長は、通信障害が発生した場合の連絡体制をいっそう強化するよう求めた。西大舛町長は取材に対し「あってはならないことが起き、県に怒鳴り込もうかと思っていたほどだ。通信障害の時は島々と連絡が取れず、本当につらい思いをした。県はしっかり対応してほしい」と求めた。
平良議長は取材に対し「事前に県からケーブル切断の連絡があれば、市の対応も変わっていた。謝罪に来たことは率直に評価する」と話した。
当初、週明けに市議団が県庁を訪れ、意見書を提出する予定だったが、宮城企画部長の来訪を受け、この日、平良議長が宮城氏に直接、意見書を手渡した。