石垣市街地から南ぬ浜町(新港地区)にアクセスする第2の道路建設構想に関し、県建設業協会八重山支部の米盛博明支部長らは24日、石垣市役所に中山義隆市長を訪れ、海底を通す「沈埋トンネル」方式を検討するよう求める意見書を提出した。一般的に橋梁に比べ総延長を短くでき、トータルコストも安く抑えられるとしている。
沈埋トンネルは、地上で「沈埋函(かん)」と呼ばれる道路を製作し、海底でつなげてトンネルをつくる工法。
意見書によると①台風時でも通行止めの心配がない②沈埋函のほとんどが石垣港の港湾施設でできるため、地域の資材・機材が利用できる③地上の現風景を維持できる―などとしている。
現在のアクセス道路は橋梁方式のサザンゲートブリッジだが、意見書では、通行止めリスクを軽減するため、現在ある橋梁とは違う交通手段が望ましいとの考えも示した。
米盛支部長によると、沈埋函を使う場合、橋梁に比べ砕石やコンクリートなどの分野で地元企業が参入するチャンスが広がる。市内の業者は沈埋函を製作した経験はないが、技術力のある企業とJV(共同企業体)を組むことで、若い技術者の養成などの効果も期待できるという。
米盛支部長は「第2アクセス道路計画は現在のところ橋梁を想定しているようだが、沈埋トンネルも含めて慎重に検討してほしい」と要望。港湾整備は国が事業主体になるため、市から国へ働きかけるよう求めた。
下地敏之港湾課長は、来年度、港湾計画の改定作業に入ることを伝えた。