本島で流行本格化か 「市中感染」始まった可能性

会議で発言する玉城知事(奥)=4日午後、県庁

 県内で4日、新型コロナウイルスの感染者が1日では最多となる5人に達した。いずれも沖縄本島中南部だが、感染経路が不明な人も2人おり、専門家は「沖縄でも流行が始まっている」と見る。大都市圏で顕著になっている流行が、いよいよ沖縄にも波及してきた形。沖縄本島で流行が拡大すれば、離島の宮古や八重山でも感染者が出る可能性は高まる。
 「県内の新型コロナウイルスのフェーズ(段階)は変わった」
 16例目となる感染確認を発表した玉城デニー知事。前日に県職員の感染が確認され、自身も健康観察の対象になっており、この日も引き続きマスク姿で報道陣の前に現れた。
 本島では、感染源を追えない「市中感染」が始まった可能性が高まっている。2月下旬から約1カ月間、県内での感染者が確認されず、県庁や県民の間に安心感が漂い始めた先月下旬までの雰囲気は一転。庁内は息苦しい緊張感に包まれた。

 5人はいつ、どこで感染したのか。保健医療部の糸数公統括監は、県内でクラスター(集団感染)が発生した可能性は否定しながら、5人が3月の3連休中に感染した可能性に言及。「一週間後に患者が急増する可能性もある」と懸念した。
 人事異動があった4月は歓送迎会が開かれる時期だが、県は県民に自粛を求める。感染者の中には関西や関東に渡航し、感染した可能性がある患者も含まれるため、県外への渡航自粛も呼び掛けている。
 市中感染の拡大を懸念し、県内全域で県主催イベントを自粛する。5日か6日には専門家会議を開き、自粛期間、歓送迎会自粛の厳格化に向けた知事メッセージの発表などに関し判断を仰ぐ。
 本島中南部の患者急増で、病床数がひっ迫している医療機関もある。今後、感染が拡大した場合に備え、県は軽症者と重症者を分けて治療する体制を整える。ガイドラインを参考に自宅待機や宿泊施設の活用なども検討する。
 一方、来週以降に開始される公立学校の新学期について、4日の対策本部会議では結論が出なかった。教育委員会は学期開始時期を遅らせるか検討する。
 県外から直行便がある那覇、久米島、宮古、下地島の各空港には乗客の体温を検知するサーモグラフィを設置する方針。
 県医師会の宮里達也副会長は、本島の状況について「流行が始まっている。一気に5人も感染者が出たのは重大なことで、今後、流行は本格化すると考えたほうがいい」と指摘。このまま感染拡大が続けば「感染者数は、あっという間に100人に達する」と危惧した。
 医療体制に関しては、有症者に医療機関に連絡した上での受診を呼び掛け「(感染者が急増した)東京や大阪の事例を見ているので、対応はよりスムーズになるだろう。重症化する人の数は限られているので、県民は冷静に対処してほしい」と求めた。

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